佐太郎のネット小説、好きかな、蘭の花?


by tsado14

蘭園の告白(その1)

         ・・・・・・・・★1・・・・・・・・
コーラとの出会いは最悪だった。

「何よっ!あんたに関係ないでしょ。誰かあ、誰か、来て!」
とたんに、通りでたむろしていた男達が、4,5人、どっと隆志の背後に駆け寄ってくるのが、わかった。
やばい。殴られると思った。おしっこをちびった。
女は敵意むき出しににらみつけてきた。顔が怒りで青白く震えている。視線のきつさが瞳を射抜いてくる。
この窮地をなんとかして脱しなければ。
女の気持ちを落ち着けるにはどうしたら良い? 手がかりを求め、女をじっと観察する。
不思議なことに、怒り狂っている女の顔が美しい。ひたむきに憤るその顔がまぶしい。愛おしくさえ感じる。
憤懣やる方ない繊細なガラス細工。fragileな女。守ってやりたいと本能的に思った。
その女がコーラだった。

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  こんなに こんなに 君を好きになって
  本当に 本当に うれしいから
  例えば この先 挫けてしまっても
  握りしめたその手を もう離さない
  出逢えたことから すべては始まった
  傷つけあう日も あるけれど
  「一緒にいたい」と そう思えることが
  まだ知らない明日へと つながってゆくよ
         (ELT「Fragile」より)  -------------------------------------------------

俺は、いつの間にか斜に構えて人と接する習性を身につけていた。人と真正面から対峙する姿勢を捨て去っていた。人とまっすぐ向き合っても疲れるだけ。下手をすると損をする。己が傷つくことを極端に恐れ、何時でも逃げられる体勢で人と関係した。感情を押し殺し誰にでもいい顔をする八方美人。
もう嫌だ。もう限界だ。

歳の功、世渡り上手、身過ぎ世過ぎの達人。そんな態度をフォロウする言葉もうまい具合に存在する。人に肩透かしを食らわせる暖簾に腕押し人生。欲得のからんだ世界では、一定の効果をあげる。
が、自分のことは自分が一番わかる。無意識の部分で気づいていた。
俺は、臆病で、卑劣で、狡猾で、最低の人間だ。

残された人生の長さが気になりだしていた。これからもこんな人間であり続けると思うと情けなくなった。
自分を変えなければと痛切に思う。しんどくてもいい、人と真剣に向き合ってみよう。そう思えるようになっていた。

直感した。この女には、俺の足りないものが輝いている。



ジジイとはフィリピン航空、PR431の座席が偶然隣り合った。その偶然がなかったら、今の満ち足りた日々は獲得していなかったことになる。
人生は、考えてみると、偶然の果てしない繰り返し。その中の一つの偶然が欠けたなら、次の偶然は起こっていない。というより、違った偶然が起こっているんだ。
こんな偶然の連鎖に思いをはせると、隆志は運命というものを信じざるを得なくなる。

ジジイと出会ったから、コーラと出会った。
そういう意味では、隆志はジジイに感謝してもし過ぎることはなかった。

「よくフィリピンに行かれるんですか」
「ええ、まあ。2ヶ月に1度ほどです」
「お仕事、急がしいんですね」
「いえ、遊びですよ。遊びに行くんです。下半身、全開にして」
座席のシートベルトをもう一度締めながら、口元を自嘲的にゆがめ、薄笑いをして、わざと下卑た言葉を吐いていた。どうも、俺は気取った真面目くさった奴を見ると、無性に腹が立つ。皮肉な言葉を撒き散らし挑戦的に振舞ってしまう。悪い癖だ。
ジジイは俺の思惑など全く気にせず、相変わらず慇懃に落ち着いている。負けだな。鷹揚な物腰、きっちりと分けた綺麗な銀髪、典型的インテリ紳士。高そうな服をさりげなく着こなしている。俺とは正反対の人種。

「ほほおう、お遊びですか。いいご身分ですね。こっちの方ですか、それとも、こっちの方ですか」
小指を立て、そして、ゴルフのクラブを振る真似をする。このジジイの言動、いちいち絡み付いてくる。俺の神経に障る。いらいらしてくる。
「だから、下半身全開。もちろん、こっちの方ですよ」
小指を立て、にやりと笑ってつっけんどんに答える。
「そうですか。こっちの方が楽しいですよね。どこが面白いですか。お教え願えませんか。フィリピン、始めてなんです」
やはり小指を立てて如才なく答える。なんだい、このジジイ、俺が嫌がっているのをわかっているくせに。何か企んでいる。食わせ者だな。
「いいですよ。泊まるところは決まっているんですか」
「ええ、マニラダイアモンドホテルというところを予約してきました。そこまでの行き方、わかりますか」
「わかりますよ。私も近くのホテルを取っています。一緒にタクシーに乗りましょう」
「それはラッキー。じゃあ、お願いしますね」
旅慣れている感じなのに、初対面の人間に対して警戒心がなさ過ぎる。何かあると思った。誰か、フィリピンの事情通を探しているような気がした。女か。このタイプの人間は俺とは違うはず。でも、下半身は別人格と言うからな。こんなすました紳士面をして俺なんかよりはるかに女たらしなのかもしれないな。なんだか親近感が湧いてきた。

「あなたはフィリピンでは英語を話すんですか?」
「そうですよ。あと、フィリピノ語を日常会話程度」
「すごい。それは頼りになりますね」
頼りになります? ジジイ、なにか俺に頼むつもりなのか。

「フィリピノ語はどこで勉強されたんですか?」
「独学です。無趣味なんで、東京ではやることがないんです。それと、マニラで、ベッドの中での個人レッスン。もう授業料、たっぷりつぎ込んでいるんですよ。向学心に富んでいると思いませんか」
「そいつはいい。勉学、はかどりますよね。マン・ツー・マンですものね。違う、マン・ツー・ウーマンか。私もその方法、取り入れようかな」
よく言うよ、心にもないことを。目的は何なんだ。一応は聞いてやるさ。でも、面倒くさそうだったら、タクシーを降りたら、「はい、それま~でよ」といこう。
「それなら、マニラでは、普通のフィリピン人と話ができますよね」
「ええ、込み入った内容でなければ」

俺は努力家だ。理想のフィリピン女性と仲良くできるよう、仕事以外の時間は、日々、フィリピノ語を特訓し続け、ある程度の会話はできるようになっていた。その情熱には自分でも感心している。女がからむとこうも違うもののか、自分で自分に皮肉の一つも言いたくなる。とにかく、勉学というものは、目標がはっきりしていればはかどるものなのさ。
大学時代に入っていたESSで培った英会話力を併用すれば、フィリピーナとのコミニュケーションは何も困らなかった。
そういう俺を「フィリピンにはまっている」と周囲はこそこそ噂する。が、今では自分の方から「逆さ。フィリピーナが俺にはまっているのさ」とうそぶいていた。俺は偽悪者さ。その位置にあるのが一番心地が良いんだ。


「実はお願いがあるんです。この手紙の女性を探し出していただけませんか。もちろん、謝礼を差し上げます」
きた、きた。日本のフィリピン・クラブではまった女か。いい歳をして。本当、人間って、見かけによらないものだなあ。俺とたいして変わらないじゃないか。うれしくなった。同族のように思え、仲間意識が芽生えた。犯罪には関係していなさそうだし、一肌脱いでやろうか。

「その女性、どういう方なのですか」
「実は、留学していた息子が、15年ほど前、マニラでつきあっていた女性なんです。半年前、その息子と妻を交通事故で亡くしてしまいました」
「ご愁傷さまです。で、今になって、どうしてお探しになるんですか」
「息子と女性の間に女の子がいる筈なんです。中学生くらいだと思います。家族を亡くした喪失感。孤独と絶望。生きる気力をなくしていました。自分勝手でお恥ずかしい話ですが、息子の忘れ形見、孫にあたる、血の繋がった、その女の子にどうしても会いたくなって、居ても立ってもいられなくなり、今、こうして飛行機に乗っているんです」
「ご事情はわかりました。ご同行して、一緒に探しますよ」
「申し訳ないのですが、最初はお一人で行っていただきたいのです。二人の結婚に反対し、二人の間を引き裂いたのは私なんです。勉学途上で、軽はずみに子供を作ってしまった息子を許せなかったんです。手切れ金を渡すから、息子と別れてくれと手紙を書きました。その際、孫を引き取ると申し出ましたが、あっさり拒絶されました。手切れ金も拒絶されました。プライドの高い女性のようです。その後、連絡が一切ありません。私の方も忙しさにかまけて忘れてしまっていました。先方は私のことを相当に憎んでいると思います。あれから15年。そんなこんなで、その女性には会わせる顔がないんです。息子を失って始めて、私はとんでもないことをしたとわかりました。自分の犯した罪の大きさを心から悔いています。ですから、先方には、誰が探しているか、絶対に悟られないようにしてください」
「で、その女性に会えたらどうすればいいのですか」
「息子が死んだ旨を伝えてください。どんな女性でどんな生活をしているか、また、孫娘もどんな子なのかも、教えてくださればそれで結構です。もう、新しい男性と結婚しているでしょうし、幸せそうならば、そっとしておいてください。生活に困っているようならば、宙に浮いた形の手切れ金を、わからない形で渡してほしいのです。ただ、本当に身勝手で虫のいい話ですが、冥土の土産に孫娘の顔だけはどうしても一度見ておきたいんです。そこのところの段取りをつけていただきたいのです。これも、絶対に悟られない形で、お願いします。謝礼ははずませていただきます」
なるほど、複雑な事情をかかえているんだ。心から気の毒に思ったさ。これで、訪比一回分の費用は浮きそうだ。アルバイトのつもりで、この仕事、きっちりかたをつけてやろう。なんだか、他人のプライバシーを探るというのも面白そうだし、にわか探偵になってやろう。久しぶり、心がわくわくしてきた。

「わかりました。それ、仕事として引き受けましょう。でも、私も貴重な遊びの時間を割くことになります。必要経費と日当3万円ということでいかがでしょうか?」
「承知しました。よろしくお願いします」
「じゃあ、まず連絡用として携帯電話を買ってください。私は持っています。1万円以下で買えるはずです。一緒に買いにいきますよ。こました女性との連絡用にも便利ですよ。もし、その気があったらの話ですけれども」
「わかりました。ホテルで一段落したら、買い物、つきあってください」


ジジイの手紙の住所はパラニャーケだった。ホテルからそんなに遠くはない。チップを多めに握らせたタクシーの運転手は目的の住所にすぐに連れていってくれた。しかし、女はそこにもう住んではいなかった。運転手にさらにチップを上乗せして、引越し先を知っているという女をなんとか見つけてもらった。二十代半ばの女が同乗した。
「ここからはタクシーではいけないわよ」
女の言葉にしたがって、車から降り狭い道をしばらく歩いた。引越し先は明らかに生活レベルの落ちている場所。仕事がないのか、酔っ払って昼からぼんやりと油を売っている刺青をした上半身裸の男達。駆け巡る粗末な服装をした子供達。半裸に近いだらしない服装で話し込んでいる女達。漂う生活の匂い。トイレの臭気。よそ者の侵入に無遠慮な険悪な視線を送ってくる。その日その日の暮らしに追われている余裕のない生活が容易に想像できる。できることなら、来たくない場所だ。

女は今にも傾いて倒れそうな古い家屋の前に立ち止まった。
「コーラ、いる? アリスよ。あなたのお姉さんを探している人が訪ねてきたの」
寝乱れた髪ままの化粧けなしの女が、欠伸をしながら不審そうにドアを明けた。ひどい姿にもかかわらず、よく見れば、美しい女だった。
「こんにちわ。日本から来た斉藤といいます」
「何の用?」
「こちらに、リサさんという方いらっしゃいます? あなたですか?」
「姉は心臓を悪くして入院しているわ。姉とどういう関係なの?」
怒気を含んでいるのがわかった。
「ちょっと、頼まれてきたんです。お姉さんの娘さんは元気ですか?」
「何よっ! あんたに関係ないでしょ。誰かあ、誰か、来て!」
金切り声に近い声を上げた。
とたんに、通りでたむろしていた男達が、4,5人、どっと隆志の背後に駆け寄ってきたのが、わかった。明らかに敵意に満ちた男たちの眼。女に好意を持っているのがすぐにわかった。女の言葉一つで袋叩きにあう。ぞっとした。小便をチビッた。

「ぼ、ぼくは頼まれて来ただけなんです。あ、あなたのお姉さんに渡してくれとお金を預かっています」
お金と聞いて、ちょっと顔が和らんだ気がした。チッ、現金な女だ。

「そうね。皆の前で話すことじゃないみたいね。家の中に入って。アリスも一緒に」
連れてきてくれたアリスという女性と一緒に足の踏み場もないくらいに乱雑に散らかった家の中に入り、壊れて傾いた汚いソファーに腰をおろした。家の中の荒れようといったらなんだ。住む人の心の荒みが伝わってくる。
「ごめんなさいね。汚くて。普段は子供達だけが住んでいるの」
「いいえ、朝早くから、起こしてしまってごめんなさい」
「お金を預かったって、誰から預かったの?」
「それが私もよくわからないんです。飛行機で隣り合った日本人の紳士の方からあなたのお姉さんに会うように頼まれたのです」
「姉の昔の夫は日本人なの。その人に頼まれた人なのかしら。でも、今、お金にすごく困っているの。本当ならうれしいわ。怪しいお金じゃないわよね。姉の娘がちょっと問題を起こしかけているの。それと関係ないわよね」
ジジイから預かった封筒を紙袋から取り出す。フィリピンでは、大切なものはくちゃくちゃの汚い紙袋に入れて運ぶようにしている。
「そうそう、これ、とりあえず預かってきたお金です。5万ペソあるそうです」
「姉は、当分、病院から出られそうもないわ。姉には会えないわよ。実は、姉の入院費が払えず、どうしようか、困っていたところなの。これ、使わせてくれると、ものすごくありがたいんだけど」
「ちょっと、待ってください。依頼した本人に電話してみます」

ジジイに早速電話を入れた。すぐに出た。待っていたようだ。今までの経過を報告し、息子の元妻が入院中であり、その娘が問題を起こしかけていると知ると、すぐにでも、元妻の妹に会って詳しい事情を聞きたいと言う。

「この5万ペソ、お姉さんの入院費に使ってくださいとのことです。必要ならば、病気が回復するまで医療費は出すと言っていますよ」
「えっ、本当? その方、どんな人なんです。知らない方にそんなことされるなんて気持ち悪いなあ」
「これだけは言えます。あなたのお姉さんの昔の夫は交通事故で亡くなったそうです。先方は昔の夫をよく知っている方です。で、その方、あなたにすぐにでもお会いして事情を詳しく聞きたいと言っています。どうします?」
「いいわよ。今夜、お店に来ていただけますか? デル・ピラールの『ミュージックラウンジ・バタフライ』というお店です。『ホビットハウス』というライブハウスのすぐ近くです。場所、わかりますか?」
「看板、見たことがあるような気がします。9時頃、伺います」
「遅くなりましたが、あたしの名前、コーラって、いいます。でも、お店では、エンジェルという名前で出ています。これ、お店の名刺です」
「それから、もう一つ。できましたら、お姉さんとお姉さんの娘さんの写真を一枚でも、持ってきてきていただけませんか。先方のジジイ、失礼、かなりお歳を召された方なんです。是非見たいと言っています」
「わかりましたわ。どうして、写真なんか、見たいのかしら?」
「ジジイのこと、私もよく知らないのです。あなたが直接にお聞きください。変な方でありませんから、ご心配なく。会えばすぐわかりますよ」
「ごめんなさい。飲み物もさしあげず。今、持ってきます。あら、あたし、ひどい格好。恥ずかしいわ」
心が和んできたようだ。それと同時に、寝起きのままの格好だと気がつき、あわてふためいている。かわいい。俺好みの美人だ。
「バタフライ」に毎日通い詰めるようになるとは、この時点ではまだ予測できなかった。


『ミュージックラウンジ・バタフライ』はすぐわかった。
日本人の客を対象にした、美形のホステスを集めた、カラオケが歌えるクラブだった。マネージャーが日本人で日本語が通じる。日本語を話せるホステスも多い。
ジジイと連れ立って、お店に一歩入ると、「いらっしゃいませ」の声がいっせいにかかる。
エンジェルと指名すると、程なく、コーラがやってきた。
驚いた。綺麗なドレスを着て妖艶な笑みをたたえて挨拶する優雅な女性。お昼とは、まるで別人。お仕事モードに入っている。同一人物か、しばらくの間、疑っていたほどである。初対面との格差が大きすぎる。
「いらっしゃいませ。エンジェルです。お待ちしていました」
「えっ、君、本当にコーラ? 信じられない。内野さん、こちら、コーラさんです」
「始めまして。内野と申します。お美しいですね。驚きました」
平静を装っているが、緊張が伝わってくる。膝の横を指でやたら叩いている。

「エンジェルさん、あなたのお姉さん、病状の方はいかがですか?」
「一進一退のようです。お医者さんが言うには、しばらく、ゆっくり休養するのが一番なのだそうです」
「医療費は私がお支払いします。ちゃんとした医療を受けさせて、ゆっくり休ませてやってください。お姉さんの昔の夫が事故で死んだのはお聞きになっていますよね。私はその知り合いのものです」
「わかってますわ。おじいさん。一目見てわかりました。死んだのはあなたの息子さんだって。だって、あなたの口元と目元、クリスにそっくりなんですもの。それにマサヤお義兄さんのファミリー・ネーム、確かウチノでしたもの。クリスのおじいさん、これ、姉とクリスの写真です。ご覧になってください」
「そうですか。ありがとうございます。こちらがお姉さんですか。あなたに似て、お綺麗な方ですね。息子が好きになったのがわかります。こちらがクリスですか。可愛いなあ。私にそんなに似ていますか。うれしいなあ。叫び出したいくらいです」
ジジイは食い入るように写真を見て凝固している。何を思っているのだろうか。他人の心の中まで入ってはいけない。でも、この仕事を引き受けてよかったと心から思っていた。
「あなたがクリスのおじいさんだってこと、証明するものが何もなくても信じますわ。姉もあなたに一目会えば、あなたが誰かすぐわかります。私、姉の性格を知っています。姉はあなたのことを決して許さないと思います。あなたからお金が出ていると知ったら、姉は怒り狂い、お金を受け取ることを拒否します。でも、現実問題として私達にはお金がありません。私は姉を助けたいです。そのために私は姉に嘘をつきます。お金は、あなたの息子さんからのものということにしていただけますか」
「もちろん、結構です。実際、息子はかなりの預貯金を残しています。それはそのままクリスの養育費、学費にあてていただこうと考えていました。お姉さんさえ許していただければ、私はクリスが一人立ちするまでスポンサーになるつもりでいます」

ジジイの方は、一件落着のようだ。ジジイは愛しい人にまもなく会えるだろう。だが、俺の方に新しい問題が生じていた。
俺はコーラにグイグイと魅かれ始めていた。さっきから、コーラの顔をずっと眺め続けている。それを感じて、コーラは艶かしい微笑みを返してくる。淑やかで艶やかな立ち振舞い。魔法をかけられてしまった。熱病に侵されている。
他の女のことは完全に頭の中から消えてしまった。俺は、マニラにいる間、毎日、この店に通うだろう。
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# by tsado14 | 2013-06-22 12:29 | 蘭園の告白

蘭園の告白(その2)

               ・・・・・・・・★2・・・・・・・・
スターバックス・カフェ。
ロハス・ブルバードをはさんでアメリカ大使館に対面した辺りにある。
旅行者風情の欧米人。韓国語を話す若いグループ。こざっぱりした服装だが少し危険な匂いを漂わせるフィリピン人の男女。
店内は八分通り埋まっている。昼下がりにしてはなかなかの盛況。
午後3時。隆志は約束の時間にお店に入った。

驚いたことにコーラはすでに座っていた。備え付けの新聞に所在なげに眼を通している。嘘だろう、フィリピーナが待ち合わせに約束通り来ているなんて。
好意的に言えば時間の制約から解き放たれている自由で鷹揚な気質。悪く言えば時間にルーズでノウテンキな気質がそうさせるのか。それとも、フィリピン女性特有の見栄や駆け引きがそうさせるのか、今だに判断がつかない。が、1時間くらい待たされるのが普通だった。
時間を守るという約束事がほとんど重視されていない。

だから、時間通りに来ているコーラを見たとき、俺の中で予感が走った。胸がときめいた。今日は違う。何かが起こる・・・
ゆっくりとした時間の流れを基調とする異空間の文化を劣っていると軽率に判断するほど、俺は無知な愛国者でも厚顔な文明人でもない。

「待った?」
「いえ、少しだけ」
「君って変わっているね。フィリピーナを待たせたのは始めてだよ。今日は記念すべき日だ」
「あら、私、時間をあんまり気にしなかっただけなの。よくあることよ。不満なの? じゃあ、この次はたっぷり待たせてあげるわ」
「いや、そいつは結構。願い下げだな。お腹すいてる? 外で何か食べるかい」
「いいえ、食べたばかりなの。すいてないわ」
「じゃあ、お願いがあるんだけど・・・」
「えっ、なあに?」
「ちょっと暑いけど、外を散歩しないかい。リサール・パークって、まだ行ったことがないんだ。ガイド代、払ってもいいんだぜ」
「あら、私を観光ガイドとして使おうなんて、勇気あるじゃない。すご~く高いわよ。でも、あなた、優しいから、今日はただにしてあげる。スペシャル・サービスよ」
「おスペなんだ。あんがと。涙が出てくるよ」

人と駐車中の車で混雑するロハス・ブルバードの側道を北に歩き、カラウ・アーべニューを横切るとそこはもうリサール・パーク。
リサール記念像の前では、韓国か台湾の観光客が群れをなして写真を撮っている。これは好機とばかり、隆志もポケットからデジカメを取り出す。
「一枚、撮っていいだろう。君の美しい顔を東京でも眺めていたいんだ」
「あら、写真がないと私のこと思い出せないのね」
「俺って、想像力に乏しいんだ。寝る前に、写真を眺めては君のことに思いを馳せるんだ。いいだろ?」
「本当ね」
「にっこり笑わなくてもいいよ。君の自然の表情を撮りたい」
「何よ。じゃあ、思いっきりきつい顔をしてあげるわ」

カメラを見据えてくるまじめくさった顔が微笑ましい。
漆黒の潤んだ大きな目、やや大きめの形の良い鼻、きりっとしながらも今にも笑みのこぼれ落ちそうな口元。
夜の薄暗い照明の下でのどこか悲しげで官能をくすぐる表情には魅了されていた。が、時折、その表情の奥に、頼りなさ、脆さ、あきらめといったものが渾然と入り混じった翳りが見える。
何時まで眺めていても見あきなかった。

この女のことをもっと知りたい。白日の下で素顔を見てみたいという欲求にかられていた。神秘のベールを剥がしてやるんだと意気込んで、半ば強引にこうして外に連れ出してきたのだ。
美形には変わりなかった。が、思った以上に色黒で健康的。
あら隠しのできない太陽光の下でも美しいということは、どこにいても美しいんだ。血管に血流がどっと流れるのを感じた。

夜とは印象が違う。性格の明るさ、人柄の良さといった予想外の資質も伝わってくる。
いろんな顔を持った不思議の女。昼の光は神秘の女の妖艶さを弱めはした。が、代わりに、現実の女の逞しさをクローズアップした。
隆志は惚れ直した。俺が求め続けたのはこの女だ。俺が今まで独身でいたのもこの女のためだ。確信した。
もうためらうものは何もない。どんなことをしても、この女を手に入れる。

リサール記念像の左の道を通り、公園の中ほどにある芝生の広場を進む。
暑い。ギラギラと照りつける陽光の中を歩いている人はほとんどいない。
たちまち、汗が噴き出てくる。

「ごめん。こんなところ、歩かせちゃって。はい、ハンカチ」
「ありがとう。気がきくのね」
首と額を拭って、返したきた濡れたハンカチを鼻先にもってきて、クンクンとわざとらしく嗅ぎ、目を細める。
「うわっ。たまんねえ。いい匂い。卒倒しそう。ビニール袋に入れて日本に持って帰ろうかな」
「バカッ。エロいのね」
「そうさ、思いっきりエロいんだぜ。がっかりした?」
「フン、男なんて、皆エロいわよ」
澄み切った青い空。吹き渡る風にたなびく色とりどりの旗。ピンクや白の美しい花の咲き乱れる水辺。
二人して冗談を言い、顔を見合わせ見合わせ歩く。
ぎこちなさもすっかり消え、打ち解けた心になっている。

太陽が半端でなく照り付けている日中は当然のことながらベンチに腰掛けているもの好きはいない。
「こんな素敵な陽光が降り注いでいるのに、誰も浴びようとしないなんて、日本では考えられないな」
「好き好んで色黒になろうなんてするフィリピン人はいないわよ」
「東京では、日焼けサロンというところで、お金払ってガングロになるんだぜ」
「ガングロって、なあに?」
「顔の色の黒いこと」
「じゃあ、あたしって、ガングロなの?」
「うーん、だよな。でも、日本のガングロよりはずっとずうっと上等で品がある」

コーラにさりげなく手を出すと、躊躇することもなく握ってくる。血管の中で血液が沸騰する。
女の子と最後にこんな風に散歩したのは何時のことだったか、思い出せなかった。

公園中央のマリア・オロッサ・ストリートを渡ると、右手にラプラプ像が遠望され、左手の煉瓦造りの門の上方に「THE OCHIDARIUM」と書かれている。聞きかじりの知識を披露する。
「ここ蘭園だよね。蘭の花って十万種以上あるんだってね。色鮮やかで造形がユニーク。華麗でかつ繊細。素晴らしい香り。友達に蘭中毒がいてね。自分のことをランチュウと言っているんだけど、はまったらやめられないそうだ。入ってみない?」
「そうね。あたし、よく知らないけど・・・ いいわよ」
入場券を買い、入口から続く花のアーケードの下を進む。
庭園の小さな滝の前に来る。
「オーキッドの花言葉って、知っている?」
「いいえ、知らないわ」
「君みたいだね」
「えっ、何なの?」
「蘭の花言葉は美女だそうだよ」
「あら、嫌だわ」
「感じていてくれたと思うけど、僕は君が好きだ。好きだ。好きだ。死ぬほど好きだ。この突き抜ける青い空くらい君が好きだ」
平凡な言葉でも、繰り返しは女の子を喜ばせる。
「うれしいわ」
「君は蘭の化身なのかな。美しくて良い匂いがする。僕は完全に蘭中毒、いや、君の中毒になってしまったようだ。はまったらやめられないんだよな。もう君なしでは生きられない。できるなら、このままずっと僕のそばいてくれたらなあ、って思っているんだけど・・・。僕じゃ、嫌かなあ」
「そんなこと、な・・」
顔を赤くしているコーラを、背骨が折れそうなくらい抱きしめてルージュの剥げかかった乾いた唇に軽くキスをする。
「俺、カレッサのように、目の周りに覆いを作り、他の女には見向きもせずに、君を乗せて突っ走るよ」
「あら、本当?」
「目隠しなんか必要ないか。他の女性なんか君に比べたら、しおれた花さ。道端の名もない雑草さ」
「あら、まあ」
「ねえ、二人で僕達の物語を作っていかないか。最高の愛の物語をね」
「うふっ、反対なんてできないわ」





               ・・・・・・・・★3・・・・・・・・
滝の前を離れ、ほてった心のまま、再びゆっくり歩き出す。
丈の短いファッショナブルなデザインの薄紫のTシャツにジーンズ生地のホットパンツ。肌があらわに出ているコーラの腰に手を回す。はちきれるような弾力と適度に湿ったぬくもり。官能が刺激される。
スキンシップは心の距離を近づける。シダの垂れ下がったなだらかな小道を上りながら、心の中で、またしても予感がうごめく。俺はこういう状況で失敗することが多い。落ち着け。落ち着け。落ち着け。


坂道を上り切ったところにバタフライ・パビリオンがある。入口にはドアがなく、鉄の細い鎖が十数本、暖簾のように地上20センチあたりまで垂れ下がっているだけ。外気と室内の空気を遮断するものはなのもない。蝶を外に逃さないためには鎖の暖簾だけで十分らしい。
中は温室のようにむっとしている。足元には水が流れ、咲きそろった小さな花の周りを小型の蝶が群れ飛んでいる。
「ねえ、ねえ、隆志、蝶々のこと、フィリピノ語でなんて言うか、知っている?」
「いや、知らないな」
「パルパロって言うのよ。それからね。女好きのプレイ・ボーイもパルパロって言うの。花から花へ美味しい蜜を求めて遊びまわるからよね。私の元彼、皆、パルパロだったの。ハンサムで若い男ばかりだったから仕方なかったのかもしれない。けど、それにしても、私って、つくづく男運がないのよ。好きになった男は例外なくパロパロ。捨てられる軽い女を演じてばかりしてきたの・・・。好きになったら尽くすタイプなのにね。可愛そうだと思わない?」
「君の素晴らしさがわからない、そんな奴らと別れて正解だったよ」
「私って独占欲が強く、異常にプライドが高いの。最初に惚れ抜いてつきあった男を、刺しちゃったのよ。他の女といちゃついている彼が許せなかったの。気がついたら刺していたわ。血を見て始めて正気に返ったのよ」
「怖いなあ」
「私はフィリピーナ。フフフ、覚悟しておいてね。私、パルパロ、もう絶対に許さないから。裏切ったら殺すわよ」
眼が本気だった。背筋を戦慄が走った。同時に快感も。
人間の感情は複雑だ。一筋縄でいかない。理屈で説明できない部分がある。

「君のためなら死んでもいい。いや、君になら殺されてもいいぜ。カマキリのメスは交尾の後にオスを生きたまま喰うらしいね。君に喰われて本望さ」

正直な気持ちだった。惚れ切った女になら殺されてもいい。刺されると考えるだけでゾクッと身震いがした。気づかなかったけれど、俺って究極のマゾヒストなのかもしれない。俺はコーラのTシャツに出ている乳房の突起をボオッと眺めながら考えていた。そして、コーラ、ノーブラなんだと違うところに結論を導いた。俺って、ほんと、助平なアホやな。自分でも、時々、嫌になる。

「日本では、君のように夜のお店で働く女性のことを夜の蝶と言うんだぜ。君こそ男達の間を華麗に飛び回るパルパロじゃないの?」

外部と内部を分け隔てるノレン状の鎖に思いをはせ、ある考えに行き着く。
コーラを自分の手元から絶対に逃したくない。それにはがっちりと隙間なく遮断するドアよりも鎖を垂らしておく方が効果がありそうだ。俺は女性を完全に支配しようとして失敗してきたような気がする。
前に立つコーラの首筋から醸し出てくるほのかな香水の香りと熟し始めた女の匂い。くらっとした。たまらない。もう完全にお前中毒だ。

コーラはむきになってしゃべり始める。
「そうよ。私はパルパロ。夜だけじゃないわ。昼間も自由に飛び回るの。自由よ。私、誰の物にもならないわ。私を束縛しようと思ったら大間違いよ」
振り向くと、手をヒラヒラさせて、辺りを走り回っている。子供だ。20歳を大きく過ぎた女のやることか。
蝶の写真を撮ろうとしていた隆志はあっけに取られてしまった。
洗練した成熟と幼児性の混在。その危うい意外な組み合わせにも限りなく愛おしさを感じる。
さっきまでつまらなそうにしていた。でも、今はいたずらっぽい笑みを浮かべて夢中に飛び回っている。こんな顔もするんだ。また少し彼女のことを知った。お店の顔からは想像できない。さらに心の距離が近づいている。ホステスと客ではなく、対等な女と男として向かい合っているような気がした。

パビリオンの中は丈の高い草むらになっていて小途が迷路のように入り組んでいる。
いつのまにかコーラは茂みの向こうに消えていた。しばらくして草むらの奥の方でしのび笑いが聞こえる。
今度は隠れんぼか。よ~し、遊んでやろう。なんだか遠い子供の頃に返ったようで、素直な気持ちになっている。
あわてふためいてやる。
「コーラ、コーラ、どこだよう。君がいないと寂しいよう」
見通しのいいところでじっと待つことにする。やがて動いてくるさ。
いた。いた。単純だ。すぐに動いてくる。後ずさりしてくる身体を後ろからいきなり抱きすくめる。
左手で下腹部を押さえ、右手で口を押さえる。
「声を出すな。静かにしていれば、命は助けてやる」
「うっ、く、くるしいわ。やめてえ。ゴメン・・ 許してえ!」
「俺の言うとおりすれば、許してやるさ」
右手で顎を後ろにむけ、強引に唇を奪う。
「ムムム・・、バカア、苦しいってば」
言葉とは裏腹に背中に回った手に力が込められ、舌を吸い寄せてくる。思わぬ逆襲。
情熱的だ。可愛い。こいつのキスは、なんて気持ちがいいんだ。隆志は恍惚となる。

そのまま後ろから腰を抱いていると、タイタニックの映画の姿勢で、体重をあずけ、手をバタバタ扇ぐ。
なんだい、この女。蝶の真似か。弾力のあるお尻が敏感な部分にあたる。こすられる。
下の方で突き抜ける熱い衝動。ムラっとする。まずい、まずい。真昼のうずき。
コーラ、こちらのほてりなど関係なく飛び続ける。
「飛ぶわ、飛ぶわ。私は未来へ向かって自由に飛び続けるの。あなたは疲れ切った私の休息の場よ。それでも良い?」
意味がわからない。自分勝手で自由奔放な女。この女と付き合うと振り回されるのは目に見えている。まあ、いっか。よしや、コーラの休息の場でも、コーラのオモチャにでも、なってやろう。
「いいよ。僕は君の根拠地だ」
果てないながらも、うっとりとする余韻。


俺の脳裏に鮮明なフラッシュ・バック。
にきびの吹き出た高校生の初夏。鬱屈した青春の真っ盛り。予備校の夏期講習へ出るため、中央線に乗った。極限まで人を詰め込んだ通勤電車。
身動きできない状況で前のOLの薄着の尻の割れ目に具合よく敏感な部分が当たる。無意識に望んでいたのかもしれない。が、俺のせいだけでもない。気づいたときは願ってもない位置関係。鼻先の女の頭髪から立ち上る濃縮した女の匂い。嗅覚が刺激される。荒い息遣いを必死でこらえる。電車の揺れに応じてだんだん怒張していく。健康な若者なら自然の反応。まだ女性の経験はなかった。快感と罪悪感のおりなす奇妙なバランス。
電車を降りるとき、女は無感情に小さな声で履き捨てるようにつぶやいていった。インテリ風の小顔のいい女だった。
「いやねえ。いやらしい男って」
聞こえたのは多分俺だけだった。が、まだ純情だった俺。恥ずかしさで顔面がスパーク。
自分の中に潜む抑えがたい好色の素質には気づいてはいた。が、認めるのがこわかった。
いやらしい、いやらしい、いやらしい、三半規管の奥でこだまする。
傷ついた。そうさ、俺はいやらしい男。破廉恥な好色漢さ。開き直った。認めてしまえば、気が楽になった。

女の気持ちは察しがつかなかった。女も、高校生を弄び、愉しんでいたような気もする。あれは痴漢だったのか。限りなく灰色。あれが痴漢として断罪されるなら法は多分真実を裁いていないと、隆志は今でも思っている。

背徳の甘美な快感の堪能。
さなぎを脱ぎ捨て羽化した瞬間だったのかもしれない。
勉学に勤しむ生真面目な高校生という自己規制から解き放され、情欲に正直な女好きの遊び人へと飛び立ったのだ。

あの女の言葉は的確な予言だったようだ。20年以上たって、眉をひそめられ、軽蔑の目を向けられても、買春を平然と行う、堂々としたいやらしいパルパロに成長していた。

「痴漢は卑劣な犯罪」というヒステリックな言葉を耳にする度に、隆志はトラウマとなっているのか、腹立たしさの方が先に立つ。物事の多面性を吟味もせずに、一面的に判断する姿勢。自分達のみが健全な思想。自分達以外の考え方、行動様式を一切認めようとはしない傲慢なモラリスト達、それに追随するマスコミ。ファシズムじゃないか。
と、自由人の遊び人を自負する隆志はついつい考えてしまう。
法律は守らなければならないが、すべてではない。好色者と変質者は違う。
自分は社会の常識、通念からはかなり外れているようだが、やっていいことと悪いことにはきっちり一線を引いているつもりだ。
確かに紛れもない遊び人だ。が、児童買春等の変質的で反社会的なものだけは絶対に手を出さない。放蕩男としてのけじめさ。


パビリオンを出て心を落ち着かせ、二人で蘭の花を見て廻っていると、陽も陰ってきた。
「お腹、すいてきたなあ」
「そうね。あたしもよ」
蘭園中央にある海鮮レストラン「BARBARA」に入る。
おしゃれなインテリアの室内。上品な味のシーフードを食べながら赤ワインを傾ける。コーラの目の周りがほんのりと染まっている。テーブルの下で彼女の手の上にそっと手をおく。
「僕の計画を少し話してもいいかい?」
「ええ、な~に?」
コーラの手をきつく握り、
「近い将来、僕達の間で、君にそっくりなオーキッドベービーを作りたいんだ」
「まあ、そんな、あたし・・」
「女の子が生まれたら、その子に蘭(ラン)って名前をつけるのが僕の夢になったんだ」
彼女も握りかえしてくる。
「不思議だわ。私も同じような気持ちだったの。その夢、協力しちゃおうかなあ」
「ワーオ」
「あなたって、タフで激しくて情熱的で、とても頼りがいがある。好きになっちゃたみたい」
彼女、顔を赤くしている。ワインのせいばかりではない。昨夜のホテルでの情熱的な出来事を思い出したらしい。
「あなたの顔って、野性的で、個性的で、とても素敵。私、とても好きよ。でも、ハンサムじゃないわ。女の子、あなたに似ているかもしれないわね。どうする?」
「そうか。そういうケースもあるか。想定外だな。うーん。そのときもやっぱしランでいくよ。日本語の漢字は少し違うんだけど、乱という字でね。
ちょっと乱れちゃったものな。大きくなったら、きっと男共を狂わせるぞ」
「よくわからないわ。ねえ、で、男の子が生まれたら、どうするの?」
「そうか。そういうケースもあるか。それも想定外だな。そうだなあ。名前は蘭丸にしよう。美少年になるぞ。でも、なんだかホモになりそうだなあ。まあ、いいっか、僕は進んでいるんだ。そんなことに差別意識は持ってないんだぜ」
ワインの酔いだけではない酔いで、頭はボッとしているのに、口が勝手に滑らかに回ってしまう。
この女に中毒になると、饒舌になるという症状があるようだ。





               ・・・・・・・・★4・・・・・・・・
午後8時を回った。
レストランの外はもうとっぷり日が暮れている。
蘭園を出ると、左手にライトアップされたラプラプの像が木々の間に屹立している。来た道をゆっくりと引き返す。人通りはまだ昼間とさほど変わりがない。
が、気のせいか、コーラが身を硬くしているのが、絡めた汗ばんだ指の間からから伝わってくる。
ジープニーが行き交うマリア・オロッサの通りを渡ると、明るく灯を点した売店が道路に沿って並んでいる。広がった薄暗がりの芝生の上で恋人達が囁きあいハグしキスしている気配が感じられる。
突然、コーラが歩みを止めた。外灯の薄明かりの下で、隆志の両手を堅く握って、向き合ってじっと眼を見つめてくる。訴えかけるような表情。意を決したように口が開かれる。
「さっきのお話、とてもうれしかったわ。でも・・・、私、言っておかなければならないことがあるの」
「なんだい。怖いな」
向けていた視線を下に落とす。魅力的な長いまつげがかすかに震えている。
「実は、私、3歳の女の子がいるの。ジーナって言うのよ」
「・・・・・・」
きた。覚悟はしていた。
魅力的なフィリピン女性なら二十歳前後で子供が一人くらい、いるのは珍しくもなんともない。
コーラの漂う色香。男を扱いなれた所作。十分に男を知っているのはわかっていた。
ひときわ目立つ憂いを含んだ大きな眼。彫りの深い整った顔立ち。出るところは嫌味なく出た引き締まったスレンダーな姿態。男共が黙って指を加えて見逃すはずがない。ハイティーンでのハンサムな男との恋。そしてお定まりの結末。想定内だ。
「隠すつもりはなかったけれど、出会って早い時期に言うことでもないわよね。でも、もう言わないわけにはいかないわよね。こんな私を、受け入れられて?」
「う~ん、そうか。ちょっと心を整理したい。少しだけ時間をくれないか」
近くのベンチに腰をおろす。心は決まっていた。が、考える振りだけはしなくては。
「父親って、どんな男? 一緒に暮らしているの? 今も一緒にいるなら、それはちょっと無理だな。君のためにもこれ以上深入りしたくない」
「私、男なんて選り取り見取りだったわ。ジーナの父親は最初に死ぬほど好きになった男よ。そう、私が刺して一緒に死のうと思った男。ハンサムで背が高くて目が綺麗で優しくて女の子ならほっておけないタイプの男よ。私達、人も羨む、最高のカップルだったわ。ジーナを18歳で生んだの。でも、もうとっくに別れているの。どこにいるかもわからないわ。未練が全然ないと言えば嘘になるかもしれないけれど、もう一緒になることは絶対にない。それくらい傷つけられたし憎んでいるの。向こうも私以上に私を恨んでいるわ」
「そうか。今の俺にはうれしいな」
「心の空白を埋めようと、その後、何人もの男、いや二桁の男かな、とつきあったけれど、だめだった。荒れた奔放生活を送っていたの。亡くなった母に迷惑をかけたわ。今はジーナが生きがい。私の宝物。ジーナを受け入れてくれない男とはつきあえない。こういう私を愛してくれて?」
お金だけが目的なら、こんなことは言わないだろう。本気でつきあうつもりだから言い出したのだろう。相変わらず自分に都合よく解釈した。己の甘さを封印し、腰にまわした両手を強くひきつけて耳元に囁くように即答していた。
「君の子供は君の分身。君と同じように愛するのは当たり前だろ。ジーナっていう子に早く会いたいよ」
「よかった・・・・。ほっとしたわ」
薄暗くてよくわからないが、瞳が濡れているように感じられた。身体が小刻みに震えている。ただうれしさだけではない何か他の感情に突き動かされているようにも思えた。

「いろいろ、あったの。半年前、ジーナをみてくれていた母が癌で死んだわ。続いて、私を精神的に支えていてくれていた一番上の姉が心臓病で倒れてしまったの。私、パニックになったわ。精神状態、ずっとおかしかったみたい」
「苦労したんだね」
「私の夢は、つつましいのよ。食べる物と住むところがあり、愛する人達と仲良く暮らすことなの」
「僕の夢も、凡なる幸せ。大きな成功なんか求めていない。平和で温かな日常生活。君と同じじゃないかな。気が合うじゃないか」

コーラ。
俺好みの容姿。気が強くて明るい性格、穏やかで落ち着いた物腰。
存在そのものが癒し。
俺が望んでいるものをすべて具備している。

君こそ待ち続けたいた人生のパートナー。具象化された希望。
傾き掛けた人生でやっと見つけたダイアモンドの原石。
慈悲深い神様がお与えてくださった奇跡。
いい加減な生き方と決別する最後のチャンス。

この女のためなら、どんな代償を払ってもいい。
彼女となら、うまくやっていける。
根拠はないが確信はある。
怖れることなく前へ突き進むだけ。
自分の未来は自分で切り開く。
破滅が待ち構えていても後悔はしない。

見上げれば満天の星。前方に浮かびあがる電飾されたマニラホテル。
その右上方に満月が怪しく輝いている。
潤いのある日々はすぐそこにある。人生のターニング・ポイント。
我が人生最良の日。

隆志は感動した。頬を伝わる涙を拭うのも惜しかった。
放蕩男はロマンチスト。涙がよく似合う。
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# by tsado14 | 2013-06-22 12:27 | 蘭園の告白

蘭園の告白(その3)

               ・・・・・・・・★5・・・・・・・・
コーラの勤めるお店『ミュージックラウンジ・バタフライ』に同伴出勤をするつもりでいた。が、カラウ・アーべニューの車の流れの途切れを待ちながら、気持ちが変わってしまった。

「コーラ、すまない。今夜はどうしても君のお店に行く気分にはなれない。君のことや僕のこと、二人の将来についてじっくりと一人で考えてみたいんだ。いいだろう?」
「そうね。その方がいいかもしれないわね」
デルピラール・ストリートの彼女のお店に行く途中に『ホビット・ハウス』というライブハウスがある。睡眠薬代わりに軽く飲んで帰ることにする。ライブハウスの円形の扉の前で、コーラの肩を両手で固く挟んで抱き、軽くキスをする。
「明日、お仕事、お休みだよね。早速、君のジーナに会いたいな。できるかな?」
「多分、大丈夫よ」
「明日の朝10時頃、電話する。じゃあ、また明日ね。愛してる」
「お休みなさい。あまり飲まないで早く帰るのよ。愛してるわ」

廻り始めた運命の歯車。予想を超えた速度で回転し始めている。加速度がついている。あまりの流れの速さに不安を抱いている自分と、気持ちの昂ぶりに浮かれている自分が、同じ自分の中に同居している。
混乱していた。客観的で冷静になる必要がある。

ライブハウスのステージでは、中年の女性歌手が身を反らせマイクを振りかざし、シャウトしていた。カウンターに座ってサンミゲールのドラフトを注文する。ビールをゆっくり味わいながら、今日、起こったことを思い返す。何かが起こるという予感は的中した。『運命の赤い糸』という古臭い言葉が心をしめる。

カウンターの斜め向かいから、その筋の女が流し目を送ってくる。微笑みながら手で制する。いつもならギラギラと好色な興味を示すのに、今夜は心に波打つものが何もない。

女性歌手の魂を揺さぶる迫力ある歌唱。闘ってきた年齢の分だけ深みを感じさせる。嫌なこともつらいことも悲しいことも楽しいことも、皆々、忘却の彼方へ。そんな決意が伝わってくる。

俺もずっと闘ってきた。
ステージが二重に見える。瞳に涙が滲んできているらしい。
俺は自分が思っている以上に感傷的な男なんだ。
今夜のビールはやけに喉頭に沁みやがる。チッ。
 
俺はいわゆる面喰いの外見重視派さ。
顔立ちとスタイルとセックス・アピールで、女を判断する。
何か悪いかい? 何か文句があるのかい?
生活がだらしなくとも、気にしない。知性に欠けていても、構わない。
軽い女、乱れている女、緩い女。嫌いではない。
身持ちの堅さ、真面目さを看板にしている女よりも、よほど性に合う。
女の子を選ぶ上で、外面的魅力と性的魅力が、妥協できない絶対的な要素なのさ。
蓼喰う虫も好き好きやろ。他人の嗜好に文句をつけるなよ。
    
女性を判断する陳腐な道徳的基準なんか糞食らえさ。
純潔を大切に。貞操を守る。笑わせるない。そんなんはシーラカンス的な価値観。男に都合の良い、意識上の貞操帯じゃないか。

日本では、30歳を過ぎると、異性選択におけるカースト制度がしっかり確立されている。異性を選ぶ上で、容姿、学歴、仕事、収入、将来性などが細かく点数化され、ヒエラルキーが強固にできあがっている。見合いなどというふざけた制度が幅を利かせる。
その揺るぎない偏差値の下で、男と女の、釣り合いのとれたカップルが誕生する。それに妥協できない男も女も弾き飛ばされる。
そして、俺みたいに独身として取り残されてしまう。

俺のような平凡で不細工な男が、人生半ばを過ぎて、人目を引きつける美しい女を獲得しようとすると、よほどの金持ちか、将来が約束されたブランド職種に属していなければ、宝クジを買うようなもの。千載一遇の強運を祈るだけ。身分相応な女を選ぶように妥協を迫られる。

だが、俺は連れ合いに対しては頑固者。女の容貌・容姿だけは、絶対に妥協せずにこだわった。俺にとっては、そこでの妥協は、精神的な自殺と同義。
この男女選択におけるカースト制度を乗り越えてやる。
挑んだ。挑んだ。挑んだ。そして、打ちのめされた。

犯罪に走り、大金を掴むという誘惑にも誘われた。が、そこはなんとか迂回してきた。
親父は釣りと囲碁が趣味の堅い地方公務員。保険会社に勤める姉が一人。絵に描いたような平凡で退屈な4人家族。面白くもない日常を静かに平和に暮らしている。典型的な小市民的生活。
そんな家族を悲しませることだけはできない。家族に対する最低の仁義だ。

そして、俺はというと、可もなく不可もない中堅どころの私立大学を、これまた可もなく不可もなく卒業。現在、上場会社の現場の技術員。なるべくまとまった休日を取れる部署への配置転換を希望して、実現。そこでの仕事はきっちりとこなして、仕事での信頼は篤いと自負している。



三十歳代は、仕事に打ち込んだ。そして、稼いだ金の分だけ遊び狂った。競馬も競輪も競艇もしたことがない。金は女だけに注ぎ込んだ。
齢を重ねるに連れて伴侶獲得レースの難しさが身に沁みる。
次第に敗北のムードが漂い始める。
でも、俺は頑なだった。見栄えの良い女にしか、アタックしなかった。
結果は言わずもがな。ことごとくリングに沈められ、ゴングがなった。
始めのうちは名誉ある敗北者という称号で己を慰めた。やがては惨めな敗北者となり、プライドがずたずたに打ち砕かれる。
持ち前の敢闘精神でファイティング・ポーズはとるものの、女に振られるごとにダメージが金属疲労のように蓄積。
何時ポッキリ折れても不思議はなかった。

四十歳代になると、経済的に少し余裕ができた。
俺好みの女性とつきあうために、水商売の女と擬似恋愛を愉しむようになった。最初はキャバクラの女に打ち込み、次に外国人パブの女にはまり、最終的には、二ヶ月一度の割でフィリピンを訪れ、国家間の経済格差を利用して極上の女を愉しむようになった。
俺の中では必然的な流れ。他に使い途がなかったから、使った金がもったいないとは思わなかった。
それでも、なおフィリピン女と結婚し家族を作るという選択肢は意識の外にあった。

だが、フィリピンで過ごす時間が長くなると、絶望的情況から抜け出せるかもしれないという明るい光が差し込み始める。

国の間の格差を利用して自分好みの女と付き合って何か悪いかい? やましいことは何もしていない。日本でも、昔は東北地方などの貧しかった地域の女性が主に水商売に従事していた。水商売の世界がグローバル化しただけ。客が地球上をボーダーレスに動くのも時代の流れというものさ。

若いときは、刹那的快楽を愉しめれば満足。ヤレればよかった。ヤレば女と結びついていると感じることができた。
が、五十歳を目の前にした今は、ヤルだけでは満たされぬ何かを感じ取っている。将来への漠然とした不安と結びついている何か。
閉塞感という牢獄の囚われ人となってしまった。

生き方を変えなければならない。
もう哀しきクラウンを演じることに終止符を打とう。
今までの自分の信念と張り通した意地と仲良く折り合うことのできる地点を見つける必要があった。
その地点は、俺の大好きなフィリピンにあると、感じ始めていた。

舞台の女性シンガーはアップ・テンポからスロー・テンポに曲調を変えた。ジョッキのビールを舞台で飲みながら、退廃の雰囲気を漂わせ、哀しみを置き去りにするかのように歌い続ける。皮膚がたるみ出しているものの、その整った顔立ちから、往年の美形が容易に偲ばれる。昔、大勢の男達をその魅力で虜にしたことを想像するに難くない。
中年太りの身体から繰り出されるハスキーな歌声。しっとりと心の中に染み込んでくる。ねっとりと心の襞にからみつく。熱いものがこみ上げてくる。
涙が、また俺の瞳を濡らす。


日本は空気が薄い。
モノが溢れ、政治的自由もある。文化的生活もほどほどに手に入る。
なのに、日本にいると、俺は酸欠状態に陥る。
フィリピンに来ると、酸素ボンベから酸素が送られるように生き返る。
ハチャメチャでいい加減なフィリピンでは、なんとも言えない安堵感を覚えて、癒される。

日本はギスギスした経済効率優先社会。
日本はもう出来上がってしまっている硬質の社会。
そんな社会で生きることに息苦しくなったんだ。
そんな社会で闘うことから卒業したくなっているんだ。
そんな社会で疎外されていると感じ、未来に希望がもてないでいるんだ。
このままでは生きる意欲が次第に失われ、死に向かって一直線に下降していきそうでならない。

貧しさと不幸は同義でない。豊かさと幸福も同義ではない。
フィリピンで過ごす時間が長くなると、実感する。

幸福は努力して獲得するものではない。
優越感等の、他人との比較の上に成り立つものでもない。
幸福は、自分の中に存在している。
幸福は、自分の中でしなやかで柔らかな心を保つことなのだ。

好きな女と繋がっていたいという切なく思う。
今は感じる。気持ちの通じていない女と情交するほど寂しいことはない。
情交しなくてもいい。優しい女の寝息を感じながら隣りで静かに休みたい。
女を支配するのではなく、女と共生したい。

でも、強く願って好みの女を獲得しようとばかりしてきた自分本位の俺。
悟った。そんな自分勝手な奴には、神様は知らない顔をするんだ。

自分のためではなく、女のために生きるんだ。
自分の中にある幸せを見つけるために。





               ・・・・・・・・★6・・・・・・・・
午前10時ジャスト、携帯がなる。几帳面な隆志からとすぐわかったわ。
「コーラ、お早う。ご機嫌はいかが?」
「絶好調よ。ジーナと二人で出かける用意をしているところ」
「どこで会おうか?」
「どこでもいいわよ」
「マラテのアリストクラトってお店、知ってるよね」
「もちろんよ。ジーナ、あそこのチキン・バーべキュー、大好きなの」
「よかった。じゃあ、そこで12時半、どうかな?」
「いいわよ。でも、間に合うかな」
「大丈夫。たっぷり待たせてもらうから」
「そう、じゃあ、たっぷり待ってね」
「お姫様、二人と会えるんだよね。気持ちが舞い上がってしまっているんだけど・・」
「あら。途中で車にはねられないでね」

「アリストクラト」はロハス・ブルバードにあるチキン・バーべキューが人気のレストランよ。
たっぷり待つと優しく言われると意地でも待たせるわけにはいかないわ。
道路が思っていた以上に混んでいて、12時40分過ぎ、お店に到着。

私は動きやすい普段着。ちょっと露出度が高いお色気仕様なんだけどね。近所に出かけるときの格好よ。モスグリーンのTシャツにジーンズ。隆志に普段の私を見てもらいたいの。一張羅の白いワンピースを着たジーナの手を引いて広い店内を探しまわったがなかなか見つからないの。ロハス・ブルバードの入り口に近い目立たない席の方へ眼をやると、たっぷり待つつもりなのか、隆志は2本目のサン・ミゲールをビンから直接に飲んでいたわ。
手を振る私を見つけると、うれしそうに手を振り返して微笑んできた。この笑い顔が好きなの。遊び人でひどい男なんだと悪ぶって言うけれど、この笑顔を見れば、そんなこと、嘘だってすぐばれるわ。あたし、頭はよくないけど、勘の方は鋭いのよ。

でも、おかしいわ。あたし、こんな年上で不細工な男に魅かれ始めているなんて。今までなら、ありえないことよ。近づくと、初めてのものを見るように、ものめずらしそうに私をぶしつけに見回してきたわ。無礼な奴、でもないか。あたしの計算通りなのよね。

この3年くらいの間に、いろいろなことがあったの。大変な経験をしたと言っていいわ。
恋に落ちて、初めて心の底から愛した男への刃傷沙汰。肺癌を患って、やせ細って死んでしまった母。母の死から1ヶ月と立たないうちに、今度は母の看病で無理をし続けていた姉が心臓の病で倒れてしまったの。

妹は、ダンサーとして日本に渡り、今は東京のクラブで働いているわ。最近はあまり連絡をしてこないの。便りのないのは良い知らせと、勝手に解釈しているの。その妹からの毎月の経済的援助はありがたいわ。それで、何とか生活が維持できているのよ。
ジーナと病気の姉とその3人の子供達の面倒をみるのは、今はもう、私しかいないの。それまでは、母と姉に頼りきりだったのに、いきなり重い責任がずしりと両肩にのしかかってきたのよ。パニックだったわ。でも、私、これでも気が強くて頑張り屋さんのつもり。嘆いている暇もなかったと言っていいわ。やれるだけのことは必死でやってきたの。

そうは言うものの、自分ひとりで考えて生きていく事への不安。5人の面倒をみる重圧。大変なものだった。
もういい加減な生き方はできないと、自分で自分の心にムチ打っていたわ。
バゴンとご飯だけの食事が続くこともしょっちゅう。姉の上の子は、クリスという15歳の女の子。その子を引っ張って、励ましながら協力してもらってなんとかやってきたのよ。姉が人望があったから、近所の人達がいろいろと助けてくれたわ。

悪いことって続くものなのね。ジーナの様子がおかしいから医者に連れて行ったら、自閉症と診断されたの。そう言われても、どうしたらいいのかわからない。頭の中が真っ白になったわ。でも、現実は、それよりも、その日その日の食い扶持を稼ぐのに必死だった。

客観的に見てジーナは文句なく可愛いと思う。でも、普通の子とどこか違うの。母である私に視線をあわせようとしないし、あやしても笑わない。他の子供にほとんど興味を示さないし、私が何かをさせようとしても全く無関心で、ただただ自分の好きなことや好きなものにのめりこんでいるだけなの。音や光に反応して時々気が狂ったように泣き喚くし、暗がりを異常に怖がるの。
疲れきって帰っても、将来が不安で不安で、気持ちが休まることがなかったわ。


「隆志、待った? こちらが、ジーナよ」
「ジーナちゃん、こんにちわ。可愛いんだね。お人形さんみたい。おじさん、お友達になりたいな。仲良くして欲しいな」
ジーナはあたしの洗い晒しのジーンズの足にしがみついたままで、一言も発しない。人見知りはしていないが、全くの無関心。いつもの通りだ。
「ジーナ、少し変なところあるでしょ。三歳なのに、まだ言葉が出てきていないの。発育も普通の子より相当遅れているのよ。私が男にうつつを抜かし、この子の面倒を何も見なかったからよ。きっと、神様がお怒りになったのよね。私のせいなの。私、もうどうしていいかわからないの」
「そうか、コーラ、大変な悩みを抱えていたんだね。もう僕がいるからね。一緒に考えよう。まずは専門のお医者さんのところへ連れていこうよ」
「このまえ、やっとできたお金で、連れていったわ。医者の見立てでは自閉症じゃないかって。自閉症と言われても、私、よくわからないの。もうお金がないから、お医者さんに連れていけないわ。気が狂ってしまうのかしら。死んでしまったり目が見えなくなったりすることはないと言っていたけど。私、心配で、心配で。毎日、泣き明かしていたわ」
「東京の僕の親友に自閉症の子がいるんだ。もう大きいけどね。だから、自閉症については少し知識があるんだ。コーラ、自閉症は、脳の機能障害で先天的なものなんだ。ジーナが自閉症になったのは君のせいではない。だから、絶対に自分を責めてはいけないよ」
「でも、私が生んだのだから、やっぱり私のせいよね」
「君のせいじゃないってば! そこのところだけはしっかりと心にとめておいてね。いいね。早速、信頼できる医者と相談して、ことによっては障害者の施設に通わせるなりさせた方がいいのじゃないかな」
「でも、あたしにはそんな余裕はないわ」
「コーラ、ジーナは僕の子になるんだ。僕がお金を出すのは当たり前だろ」
「隆志・・・」
「君とジーナのためにお金を使うことにした。もう君の勤めるお店には行かないよ。もう贅沢はできない。とりあえず、君とジーナが僕のホテルに来るか、僕が君の家に行くかした方がいいみたいだな。僕が日本に帰るまでの5日間、3人で仲良く暮らそうよ。僕も自閉症について、もっと勉強するようにする」
「隆志・・・、ありがとう」
「さあ、食べよう。腹が減っては戦ができないって言葉が日本にあるんだ。何にする?」
「もちろんチキンバーベキューよ。それとパンシット・カントンが欲しいかな」

タオル地のハンカチをジーナの服の襟元にはさみ、チキン・バーべキューを串から外して小さく切り、フォークに突き刺してジーナの手に持たせてやる。時折、水とパンシットを口に運んであげる。ジーナはいつの間にか手づかみで、手と口の周りをソースでベタベタにさせてバーべキューを食べるのに夢中になっている。参ったな。でも、隆志がジーナの汚れたの口の周りをナプキンでぬぐってくれたわ。隆志って、よく気がつくのよ。

隆志が私達二人をずっと見守ってくれているのを感じるの。安心感というのかな。温かで穏やかな気持ちが胸全体に広がっていくの。
こんなリラックスした気分になるのは、久し振りよ。母と姉と一緒に暮らしていた遠い昔以来かな。その後は、なりふり構わず必死になって戦い続けてきたわ。やっぱり私にはこの人が必要みたい。ジーナのために。いや、それ以上に、私のために。

「ハハハ。母親やってるね。いい感じ、いい感じ。微笑ましい風景だなあ。これからは、僕もその風景の中に入れてくれないかなあ」
「フフフ、ジーナ、どうする? ジーナが良ければ、あたしは構わないわ」
隆志はジーナの方を向き、両手を合わせ、片目をつぶる。
「ジーナちゃん、お願い」
「しゃあないな。入れてやろうか、ジーナ。いいわよね」
「今までの君のこと、生意気な女だと思っていた。その生意気なところに惚れたんだけどね。でも、普段は家庭的で優しい女なんだね。今日は君の評価がコペルニクス的に転換した革命的な日となったわけだ」
「あら、そう。なんだか皮肉っぽいのね。でも、コペルニクス的に転換した革命的な日って、意味がわからない」
「そうか。すっかり変わってしまった記念すべき日ということだよ」
「じゃあ、始めからそう言って。あたし、頭、悪いのよ。だから、難しい言葉、使わないでね」
「今日は今までで一番良い表情をしているよ。写真を一枚撮りたいな。いけねえ。デジカメ、忘れてきちゃった」
「忘れん坊。東京に帰っても、私達のこと、忘れないでね」
「それは僕の台詞だよ。マニラを離れても、僕のこと、忘れるなよ」
「さっきから痛烈に感じてたんだけど、私達にはあなたが絶対に必要。でも、すぐにお別れなのね。つらいわ。つらいわ」
「君がそんなこと言うなんて、うれしいな。大丈夫。毎日、電話をかけるから。僕も君の声が聞きたいもの。インターネットを、繋げば、テレビ電話も安くできるんだ。そうすれば、君とジーナの顔が毎日見られる。今度来るとき、その用意もしてくるね」
「楽しみにしているわ」
「君のところにパソコン、あったっけ?」
「隆志、あたし達、今、生活がとても苦しいの知ってるでしょ。姉の医療費は、おじいさんからいただいたお金と妹の送金でなんとかやりくりつきそうなんだけど、あたしの家にはジーナ以外に姉の子供3人いるのよ。あたし、その子供達の面倒も見なければならない立場なの。だから、無駄なものにお金は使えないの」
「ごめん。余計なこと、言っちゃって。生活費は心配しないでね。十分じゃないかもしれないけど、東京から、毎月送らせてもらうよ。できることなら、お店に出ないで欲しいなあ。ジーナと一緒に過ごすべきだと思うし、言いにくいけど、ちょっとヤキモチもある。君の素敵な顔を他の男にあまり晒したくないんだ。もちろん強制じゃないよ。君次第さ。君は自由なんだから」
「私も、お店、辞めたいわ。でも、姉が働けるようになるまで無理みたい。私、一家の大黒柱なの。頼りないこの肩に家族の生活がかかっているのよ」
「わかった。僕はもう今までみたいに無駄遣いはしない。君が働かなくても生活できるように、頑張って稼ぐよ」
「隆志・・・、あなたから親切にされるばかりで、あたし、あなたに何もできない。つらいわ」
「コーラ、僕が君に与えるだけじゃあ、ないんだよ。僕は君にたくさんのものがもらえそうな気がするんだ。なんていうか、生きる力というか、生きる目的というか。君とジーナが存在しているだけで僕は勇気が出るんだよ。一緒の夢をみて生きていきたいんだ。いいかな?」
「うれしいわ。涙が出てきちゃったわ。私って、こんなに弱かったかなあ。馬鹿みたい」
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# by tsado14 | 2013-06-22 12:25 | 蘭園の告白

蘭園の告白(その4)

            ・・・・・・・・★8・・・・・・・・
「ホテル代を節約しましょう。私の家に泊まったら」
「でも、今夜は、ホテルで、コーラと、肉と肉を絡み合わせ、じっとりと汗をかいて、ナニとナニを結合させ、しっぽりと濡れたいんだけどなあ」
「大丈夫よ。隣りの部屋の子供達が寝てしまったら、家でも、いくらでもしっぽり濡れられてよ。大きな声をあげても全然平気。姉がよく男を連れ込んでいたから、皆、慣れているわよ」

残りのフィリピン滞在中。無駄なお金を使わぬように、コーラの家に滞在することになった。
家に着いて、相変わらず散らかった居間の破れソファーで、休んでいると、シャワー室から、コーラの姉の子供達3人がはしゃぎながら出てきたんだ。薄暗い電灯の下ながら、なんとも、皆、素っ裸。
10歳のマウイ、13歳のウイルマ、15歳のクリス。父親は、皆違うのだそうだ。

「何よ、あなた達。男のお客さんよ。マウイはいいとしても、クリスとウイルマは女の子でしょう。恥ずかしくないの?」
「だって、来ているなんて、知らなかったんだもの。仕方ないでしょ。私、自慢のヌードをさらして、お客様を大歓迎よ」
「ちょっと恥ずかしいけど、ウイルマも裸で歓迎よ」
「クリス、あなたは大きなオッパイをしているのよ。もう大人の女になりかけているのよ」
「は~い、認識してま~す」

「隆志、良いチャンスだから尋ねるわ? クリス、あんなこと、言っているけど、クリスの裸はどんなものかしら? 男の官能に訴えかけるものがある?」
「凄い。凄いよ。そりゃあ、もちろんコーラにはかなわないよ。けど、お乳もお尻もハリがあって、完成されつつある過程だな。コーラと違った魅力を感じてしまう。白い下腹部に際立つ黒い陰毛が、まぶしいよ」
クリス、陰毛のことを指摘されて、羞恥心が湧き上がったようだ。
顔が真っ赤。身体もピンク。

「茶色の乳首がピーンと立っているピンクの大きな乳房。まだ少女の雰囲気が残しているピンクの腰まわり。可愛らしくて、艶かしい。なんだかチンポコの周りが熱くなってきた。できることなら、一発、はめてみたいな」
「隆志! 何よ、クリスはまだ子供よ。いくら軽口でも、そんな露骨なこと、言わないでよ。それに、今夜のセックスのパートナーは私でしょ。妬けてしまうわよ。ああ、腹が立つ! でも、まあ、いっか。クリスも素敵な女性に成長しつつあるんだね。喜ばなくちゃね」
「コーラ、ご免。でも、男なら、誰もが、涎を垂らして、僕と同じように感じるよ。クリスにはめこんで揺ら揺らしてみたいって」
「・・・・・」


「おじさん、隆志って言うんだ。コーラと結婚して、コーラのハズバンド、ジーナのパパになるつもりでいるんだ。皆と仲良くなりたいな。お近づきの印しに、明日にでも、皆の欲しいものを一つずつ何か買ってあげるぞ」

「ワーイ、おじさん、俺の運動靴、破れて、水や小石が入ってくるんだ。だから、運動靴が欲しい。できたら、バスケットシューズのように格好いいやつ!」
「よっしゃ、それ、買おう」
マウイ、パンツ1枚で、隆志の膝にのぼり、抱きついて頬ずりする。
「おじさん、有難う。ウワァ、煙草臭い」

「おじさん、ウイルマはブラジャーを買ってほしいの」
「ウイルマ、まだ乳頭の辺りが膨らみ始めたばかりだろ。ブラジャーするの、まだ早いんじゃないの?」
「私の同級生、乳房が大きくて、皆ブラジャーしているのよ。私、焦っているの」
「ブラジャーをつけると、乳房が大きくなるのかな?」
「クリスね。私の歳の頃、胸、平らだったのよ。でも、ママにねだって、ブラジャーをつけるようになってから、どんどん大きくなったの。今は巨乳でしょ。おじさんのあそこが熱くなるほどに、成長したのよ。私もブラジャーつけて、クリスに続きたいの。大きなオッパイになりたいの」
「クリス、本当か?」
「そうよ、私、胸が全然なくて悩んでいたの。嘘じゃないわよ」
「よっしゃ、ウイルマ、可愛いブラジャー、3枚くらい買っちゃおう」
「うれしい、おじさん! 希望通り、大きくなったら、私のオッパイ、触らせてあげるからね」
ウイルマ、パンティー1枚で、隆志の膝の上に飛び乗り、膨らみ始めた乳房を押し付けて抱きつき、頬ずりする。
「キャアー、おじさんの口の周り、お髭ががザラザラして、痛い!」

花柄の赤いTシャツに両膝を入れて、床に座りこんでいるクリスを不思議に思い、コーラが尋ねる。
「クリス、何しているの。ひょっとして、シャツの下に、何もはいていないでしょう。はしたないな」
「失礼ね。パンティー、ちゃんとつけているわよ! 私、Tシャツの下にはいて、家でも気楽にくつろげるパンツ、持ってないの。可愛いホットパンツが欲しいな。おじさん、お願い!」
「わかった。ダサいのではなく、女の子らしい可愛くてセクシーなのを買おうな」
「クリス、あなた、それよりパソコンが欲しかったんじゃないの。隆志おじさんにお願いしてみたら?」
「隆志おじさん、高いんだけど、私、すっごく、すっごく、パソコンも欲しいの。よろしければ買っていただけないかしら?」
「これからは、パソコンができないとまずいよな。いいよ。買ってあげる。さっき、すばらしいヌード、拝ませてもらったものな」
「わ~い、うれしい。私のヌード、結構、お金になるんだ。これから、私の裸、大切に大切にしていくわ。簡単には、誰にも見せないぞ!」 

「パソコン購入には、二つほど、条件があるんだ。一つは、パソコンの全くわからないコーラおばさんにパソコンの使い方を教えること。フェースブックやスカイプを使って、東京とマニラでやりとりしたいんだ」
「仕方ないわね。相手がコーラおばさんじゃ、かなり大変そう。でも、頑張るわ」


クリス、念願のパソコンが手に入るとわかり、大喜び。隆志の膝に跨って、抱きついて大きな乳房を押し付け、首筋に腕を回し、頬ずりする。調子に乗って、そのまま舌を入れてキスをしてくる。
「クリス、気持ちがいい。でも、舌を入れてキスをするな。コーラおばさんに怒られるぞ」
「御免なさい。ベチャベチャのキス、最近、慣れちゃっているんだ」
「でも、変だな。膝の辺りが妙に気持ちがいい。クリスの跨った太股に生温かい陰部のようなものを感じるんだけど・・ ひょっとして、クリス、何もはいてないんだろ」

「チェッ、ばれたか。あたし、最近、パンティーをはかないことにも慣れちゃっているの。おじさんにただでサービスしちゃったかな。気持ちよかったんでしょ。なら、可愛いパンティーも買ってね。古い汚れたパンティーばかりで、使う気がしないの」
「しょうがない。ホットパンツに、パンティー1ダース、追加!」
「ヒャッホー、私のあそこ、結構、お金になるんだ。これから、私のあそこも、大切に大切にしていくわ。簡単には、誰にも触らせないぞ!」
コーラ、何か考えるところがあるみたいで、クリスに何も言わない。


「コーラおばさん、私達、眠くなってきた。そろそろ寝るわ。後は二人でお好きにやってね。抱き合って、大声を上げて入れたり出したりするんでしょう」
「そうよ。身体中、舐めあって、上になったり下になったりするのよ。私達、夫婦になるの。お互いの愛を確かめる神聖な行為よ」
「ママのときは、やってきた男達に腹が立っていたけれど、隆志おじさんは大歓迎だからね。おばさんをヒーヒー言わせて、ギンギンに歓ばせてね」
「そうしたいねえ。今から鼻血が出そうだよ。よっしゃ、励みに励むでえ。コーラを、皆が眠れないほど、ギャアギャア、喚かせるからな。覚悟しとけよ。それにしても、隣りに子供達がいると思うとなんだかスリルがあるなあ。興奮するよ。ホテルからここに移って正解だったな」





            ・・・・・・・・★9・・・・・・・・
姉の子供達が隣室に消える。
狭いベッドの上に、隆志、ジーナ、コーラの順で川の字になる。この形で眠るのが夢だった。しんみりとした幸福感。

でも、そのしんみりも長くは続かない。
コーラからのきつい戦闘宣言。
「隆志、先にシャワーを浴びてきて。おちんちんとタマタマ、きれいにきれいに洗ってくるのよ。私、今夜、ジーナの妹を仕込むつもりでいるの。君と激しく荒れ狂うんだから。大きな声も上げちゃうんだから」

シャワー室から出て、身体を拭き、ジーナの横に素っ裸で横たわる。
コーラ、交代して、ボインボインの乳房とお尻を揺らして、シャワー室に入る。セクシー。女性の裸としては、クリスよりやはり数段上。
見ただけで、勃起してくる。期待感と興奮。
あのボインボインが、これからは、いつも俺のそばにあるんだ。いつも俺を癒してくれるんだ。うれしくてうれしくて、涙が滲んでくる。


時間制限、タブーのないセックス。
ジーナの可愛い寝顔を見ながら、これから展開する薔薇色の闘いの世界を想像していると、ペニスがさらに固くなっている。
シャワーを終えて出てきたコーラ。なんと、身体中に念入りにローションを塗っている。経験豊かな使い手だな。心が引き締まる。
でも、身体は正直に反応する。
喉が渇く。息がハーハー、心臓バクバク。ペニスビーンビーン。

後ろから抱きついてくる。ヌルッとした感触。
背中に弾力のある乳房が、お尻に陰毛豊かな下腹部が当たる。
脚に脚をからめて、そそり立つペニスを優しくさすってくる。
戦闘開始だな!

もう限界だ。
コーラと向き合って、強い力で抱き締める。
舌を出したり、入れたり、からめたり。激しいキスの応酬。
ヨダレを垂らして唾液の交換。

空気を飲み込んだのか、唾液と同時に、なんとコーラのゲップを喰らう。
グレープフルーツの匂いと酸味が口の中に広がる。やがて納豆と沢庵の味。優しい臭さと癒し。コーラらしいゲップ液。うれしくなる。
コーラのものは全てが素敵だ。コーラのものなら全てが受け入れられる。
また一つ、知らないコーラが俺のものになった。

ギンギンにそそり立っている俺。
コーラの股を大きく開き、ズブリ挿入。
割れ目、たっぷりの愛液で既に濡れ濡れ。
入れただけでイキそうになる。
まずい。すぐ出てしまう。

「コーラ、すご~い。すご~い」
「隆志、いい、いい、いい! 強く、強く、動いて!」」
「ダメだ。出る、出る、出ちゃう!」
臨界超過。暴発。あっけない最初の精液注入。
「いや~ん、隆志ったら、早過ぎる!」
「ごめん。溜まり過ぎていて、我慢、できなかったんだ。時間はたっぷりある。次は、もっともっときばるから」

出た瞬間、股間がモワッと緩み、痺れる。解放と悦楽の狂宴。
相手がコーラであることの幸せに酔ってしまう。
コーラの大きな胸に顔を埋め、安らぐ。瞳が濡れている。
好きだ、好きだ、好きだ、この女。もう絶対に離さない。

続けて正常位。 
腰の下に枕を挿し入れ、強く抱きしめる。
局部を擦り合わせる。ゆっくりとピストンを始める。
「隆志、いい、いい、いい、すっごくいい。もっとお、もっとお」

ピストンを速める。
「いい、いい、いい。ウワッ、ウワッ、ウワッ、もうすぐよ!」
高まっていく顔、たまらない。セクシーであだっぽい。
長い睫毛の下が潤んで、きらめいている。

ピストンをさらに速める。
「隆志ッ!、ウワッ、ウワッ、ウワッ、ウワア! イク、イク、イク、イクウ!」
イキそうな顔。集中と必死の相貌。

ピストンを高速にギアチェンジ。 
「ウワッ、ウワッ、ウワッ! 隆志ッ! 隆志ッ! イッタア!」
イッている瞬間の顔。たまらない。上気した夢うつつのエンジェル。
笑っているような、泣いているような。

俺も出したかった。が、出さないのが思いやり。
ペニスを動かさず、コーラの中でじっと潜伏。
コーラを、もっともっと歓ばさなければ。
俺が天国にいくのは簡単。でも、コーラに何度も何度も天国にいってもらうのが男の甲斐性というもんだ。

「隆志、よかったあ。私、すっごく満足」
「まだ始まったばかり。これから激しく行くぞ」
イッた後の顔も、たまらない。可憐なジャジャ馬娘。純真な悪戯っ子。
俺の胸にかじりつき、静かに休んでいる。
コーラの汗の匂い。生臭い息。むっとくる髪の香り。たまらない。
フェロモンたっぷり。うっとりとする。
とろける、舞い上がる。俺の官能をくすぐる。
俺の瞳がまた濡れてきている。
好きだ、好きだ、好きだ、この女。何があっても一生守ってやるんだ。


ジーナも寝ているセミダブルのベッドは狭い。自由に身体を動かせない。
「隆志、ベッドの上は狭いわ。もっと奔放に動きたいな。もっと淫らに乱れたいな。汚れているけど、床に下りましょう」
「よっしゃ、戦場移動だ」

リノリウムの床の上は冷たい。
コーラを四つん這いのドッグスタイルにする。
・・・・・・・・・・
そのまま、四つん這いになっているコーラの尻を抱える。バックからペニスを挿入。もちろん、アヌスではなく、女陰に。なんたって、今日は蘭ちゃんを仕込むんだものな。残念。アヌスへの挿入は別の機会だ。俺も好き者なんだよな。

コーラ、手の肘を伸ばして、お尻を高く突き出してくる。
俺、膣の奥までグイグイ挿入。ペニスの先が膣壁を感じる。

コーラ、尻をくねらせ、膣を締めつけてくる。
俺、腰をつかんで、低速、中速のリズミカルな銃撃。そして、高速の乱射。

コーラが泣き叫ぶ。髪が乱れ、背中が震えている。
ここに来て、たまらず、俺、二度目の射精。
今回は溜まっていたものが、ドクドクと大量に流出。
けだるい股間の快感。幸せって、こんな感覚なんだよな。


後背位からペニスを抜き、対面座位に移行。
コーラ、足を広げて座った俺の上で、体育座りの姿勢。
クリトリスをこすりつけるように前後に動いたり、360度の円運動をしたり、自由闊達に動く。俺は下から突くようにして応じる。
じっと顔と顔を見つめ合い、舌と舌をからめての優しいキス。
お互いの愛を感じる。
好きだ、好きだ、好きだ、この女。・・・・・・。

コーラのうねる大きなお尻を手で摩り、揺れる大きな乳房の乳首にキスをする。ローションを塗った身体。ぴったりと身体を密着させて揺すると、ヌルヌル感がたまらない。
身体を後ろに反らせて嬌声をあげるコーラの腰のうねりの中、またしても射精の誘惑。ここも我慢。なんとか持ち越す。


もう息があがっている俺。
「疲れた。上で動いてくれないか」
コーラ、おっ立っているペニスをはめ込んだまま、真後ろに倒れた俺の上でうんこ座り。待っていましたとばかり、クリトリスを刺激する前後運動。
激しく動き始める。淫乱女の本領発揮。
腰を動かして快感を追ってるコーラを下から眺めると、はしたなく、えげつなく、興奮の極み。
眼を少し下に転ずると、結合部の出し入れがもろ見え。淫靡な光景。

俺、自由になった手で、クリトリスをいじったり、おっぱいを揉んだり。
「いいわ、いいわ」、「すごい、すごい」などと、上ずったよがり声で合いの手を入れ、体の中心は保ちながら、腰だけを前後にゆする。


コーラは女性主導の騎乗位が大好きみたいだ。
後ろに手をついて身を反らせ、バランスを取りながらピストン運動。360度の円を描くグラインド。
俺の胸に手を当てて覆いかぶさる姿勢で重心を前にかけ、上からキスをしたり、乳首を舐めたり。焦らして抜いてみたり、またすぐにツルっと入れてみたり。全くのマイペース。
コーラのクリが手前や後方に移動する度に、俺のペニスに刺激を与える。
それぞれに、当るところも違って気持ちがいい。
男に支配されない、飛んでる女、コーラ。
好きだ、好きだ、好きだ、この女。・・・・・・。


コーラ、イキたくなってきたようだ。動きが一段と激しくなる。
一段と恥骨にクリがこすられる。じっとしているのに、快感が俺を襲う。
気持ち良すぎて動けない。動きたくない。

「ウワァオー、イク! イク! イク! ギャアオー」
「コーラ、俺も、イク、イク、イク、イクゥ!」
コーラ、俺の上にもたれ込み、大きな息をして、しばらく動かない。
「俺、コーラの中にタップリの精液を注ぎこんだぞ。その放出感。たまらない。失神寸前だよ」
「隆志、念願のランちゃん、仕込めたかもね」
最初のお漏らしみたいな発射は別にして、三発の入魂の精液注入。その可能性は高いな。
疲れきった。俺、しばらく立ち上がれそうにもない。

なのに、コーラときたら、半端じゃない。10分後には、俺の上で動き出している。
かなわない。俺の手におえる女じゃないな。
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# by tsado14 | 2013-06-22 12:23 | 蘭園の告白

蘭園の告白(その5)

                ・・・・・・・・★8・・・・・・・・
「ホテル代を節約しましょう。私の家に泊まったら」
「でも、今夜は、ホテルで、コーラと、肉と肉を絡み合わせ、じっとりと汗をかいて、ナニとナニを結合させ、しっぽりと濡れたいんだけどなあ」
「隣りの部屋の子供達が寝てしまったら、家でも、いくらでもしっぽり濡れられてよ。大きな声をあげても全然平気。姉がよく男を連れ込んでいたから、皆、慣れているわよ」

残りのフィリピン滞在中。無駄なお金を使わぬように、コーラの家に滞在することになった。
家に着いて、散らかった居間の破れソファーで、休んでいると、シャワー室から、コーラの姉の子供達3人がはしゃぎながら出てきたんだ。薄暗い電灯の下ながら、なんとも、皆、素っ裸。
10歳のマウイ、13歳のウイルマ、15歳のクリス。父親は、皆違うのだそうだ。
「何よ、男のお客さんよ。マウイはいいとしても、クリスとウイルマは女の子でしょう。恥ずかしくないの?」
「だって、来ているなんて、知らなかったんだもの。仕方ないでしょ」
「クリス、あなたは大きなオッパイをして。もう、大人の女になりかけているのよ」
「は~い、認識してま~す」

「隆志、良いチャンスだから尋ねるわ? クリスの裸はどんなものかしら? 男の官能に訴えかけるものがある?」
「凄い。凄いよ。おちんちんが張ってきそうだよ。そりゃあ、もちろんコーラにはかなわないよ。けど、お乳もお尻もハリがあって、完成されつつある。コーラと違った魅力を感じてしまうな。白い下腹部に際立つ陰毛の黒、まぶしいよ」
クリス、陰毛のことを言われて、羞恥心が湧き上がったようだ。顔が真っ赤。身体もピンク。
「茶色の乳首がピーンと立っているピンクの大きな乳房。まだ少女の雰囲気が残っているピンクの腰まわり。可愛らしくて艶かしい。なんだかチンポコの周りが熱くなってきた。できることなら、一発、はめてみたいな」
「何よ、隆志! クリスはまだ子供よ。いくら冗談でも、そんな露骨なこと、言わないで。それに、今夜のセックスの相手は私でしょ。妬けてしまうよな。ああ、腹が立つ! でも、まあ、いっか。クリスも素敵な女性に成長していたんだ。喜ばなくちゃね」
「コーラ、ご免。でも、男なら、誰でも僕と同じように感じるよ」

・・・・・・・・・・
「おじさん、隆志って言うんだ。コーラと結婚して、コーラのハズバンド、ジーナのパパになるつもりでいるんだ。皆と仲良くなりたいな。近づきの印しに、明日にでも、皆の欲しいものを、一つずつ何か買ってあげるぞ」

「ワーイ、おじさん、俺の運動靴、破れて、水や小石が入ってくるんだ。だから、運動靴が欲しい。できたら、バスケットシューズのように格好いいやつ!」
「よっしゃ、それ、買おう」
マウイ、パンツ1枚で、隆志の膝にのぼり、抱きついて頬ずりする。
「おじさん、有難う。ウワァ、煙草臭い」

「おじさん、ウイルマはブラジャーを買ってほしいの」
「ウイルマ、まだ乳頭の辺りが膨らみ始めたばかりだろ。ブラジャーするの、まだ早いんじゃないの?」
「私の同級生、乳房が大きくて、皆ブラジャーしているのよ。私、焦っているの」
「ブラジャーをつけると、乳房が大きくなるのかな?」
「クリスね。私の歳の頃、胸、もっと平らだったのよ。でも、ママにねだって、ブラジャーをつけるようになってから、どんどん大きくなったの。今は巨乳でしょ。それを見るおじさんのあそこが熱くなるほど、成長したのよ。私もブラジャーつけて、クリスに続きたいの」
「クリス、本当か?」
「そう、私、胸が全然なくて悩んでいたの。嘘じゃ、ないみたいね」
「よっしゃ、ウイルマ、可愛いブラジャー、3枚くらい買っちゃおう」
「うれしい、おじさん。希望通り、大きくなったら、私のオッパイ、ただで触らせてあげるからね」
ウイルマ、パンティー1枚で、隆志の膝の上に飛び乗り、膨らみ始めた乳房を押し付けて抱きつき、頬ずりする。
「キャアー、おじさんのお口の周り、お髭ががザラザラしていて、痛い!」

花柄の赤いTシャツに両脚を入れて、床に座りこんでいるクリスを不思議に思い、コーラが尋ねる。
「クリス、何しているの。ひょっとして、シャツの下に、何もはいていないでしょう。はしたないな」
「失礼ね。パンティー、ちゃんとつけているわよ! 私、Tシャツの下にはいて、家でも気楽にくつろげるパンツ持ってないの。可愛いホットパンツが欲しいな。おじさん、お願い!」
「わかった。ダサいのではなく。女の子らしい可愛くてセクシーなのを買おう」
「クリス、あなた、パソコンが欲しかったんじゃないの。隆志おじさんにお願いしてみたら?」
「隆志おじさん、私、すっごく、すっごく、パソコンも欲しいの。かなり高いんだけど、よろしければ買っていただけないかしら?」
「これからは、パソコンができないとまずいよな。いいよ。買ってあげる。さっき、すばらしいヌード、拝ませてもらったものな」
「わ~い、うれしい。私のヌード、結構、お金になるんだ。これから、私の裸、大切に大切にしていくわ。簡単には、誰にも見せないぞ!」 

それと、もう一つ条件があるんだ。パソコンのまったくわからないコーラおばさんにパソコンの使い方を教えてほしいんだ。フェースブックなどを使って、東京とマニラでやりとりしたいんだ」
「仕方ないわね。相手がコーラおばさんじゃかなり大変そうだけど、やってみま~す」


クリス、念願のパソコンが手に入るとわかり、大喜び。隆志おじさんの膝に跨って、抱きついて大きな乳房を押し付け、首筋に腕を回し、頬ずりして、そのまま舌を入れてキスをしてくる。
「クリス、気持ちがいい。舌を入れてキスするな。コーラに怒られるぞ」
「御免なさい。ベチャベチャのキスするの、最近、慣れちゃっているんだ」
「でも、変だな。膝の辺りが妙に気持ちがいい。クリスの跨った太股に生温かい陰部のようなものを感じるんだけど・・。ひょっとして、クリス、何もはいてないだろ」

「チェッ、ばれたか。あたし、最近、パンティー、はかない状態に慣れちゃっているの。おじさんにただでサービスしちゃったかな。気持ちよかったんでしょ。なら、可愛いパンティーも買ってね。古い汚れたパンティーばかりで、使えるのが、ほとんどないの」
「しょうがない。ホットパンツに、パンティー1ダース、追加!」
「ヒャッホー、私のあそこ、結構、お金になるんだ。これから、私のあそこも、大切に大切にしていくわ。簡単には、誰にも触らせないぞ!」

コーラ、何か、考えるところがあるみたいで、クリスに何も言わない。

「コーラおばさん、私達、そろそろ寝るから、後は二人でお好きにやってね。抱き合って大声を上げて、入れたり出したりするんでしょう」
「そうよ。身体中、舐めあって、上になったり下になったりするのよ。お互いの愛を確かめる行為よ」
「ママのときは、やってきた男達に腹が立たっていたけれど、隆志おじさんは大歓迎だからね。おばさんをヒーヒー言わせて、ギンギンに歓ばせてね」
「そうしたいねえ。今から鼻血が出そうだよ。よっしゃ、励みに励むでえ。コーラを、皆が眠れないほど、ギャアギャア、喚かせるからな。それにしても、隣りに子供達がいると思うとスリルがあるなあ。ホテルからここに移って正解だったよ」





            ・・・・・・・・★9・・・・・・・・
姉の子供達が隣室に消える。
セミダブルベッドの上に、隆志、ジーナ、コーラの順で川の字になる。この形で眠るのが夢だった。しんみりとした幸福感を味わっているゆとりもなく、コーラから、きつい戦闘宣言。
「隆志、先にシャワーを浴びてきて。おちんちんとキンタマをきれいにきれいに洗ってくるのよ。私、今夜は、ジーナの妹を仕込むつもりでいるの。隆志と激しく荒れ狂うんだから。大きな声も上げちゃうんだから」

シャワー室から出て、ジーナの横に何もつけず、素っ裸で横たわる。
何もしていないのに、シャワー室に入るコーラの、ボインボインの裸体を見ただけで、興奮して勃起している。女の裸としては、クリスよりやはり数段上のようだ。

時間制限、タブーのないセックス。
ジーナの可愛い寝顔を見ながら、これから展開する薔薇色の世界を想像していると、ペニスがさらに固くなっている。
シャワーを終えて、後ろから抱きついてくるコーラ。
背中に弾力のある乳房が、お尻に陰毛の豊かな下腹部が、当たる。もう息がハーハー、胸が早鐘。そして、股間に脚をからめて、ビーンビーンに突っ立っているペニスを優しくさすってくる。戦闘開始だな!

もう我慢の限界。コーラと向き合って、強い力で抱き締める。舌を出し入れしての激しいキスの応酬。ベロベロになってコーラの唾液を味わい、コーラの股を左右に大きく開き、ズブリ挿入。割れ目はたっぷりの愛液で既に濡れ濡れ。
入れただけでイキそうになる。
まずい。コーラををもっと歓ばせなければ・・

「コーラ、すご~い。もうダメ。出る、出る、出るう!」
「隆志、いい、いい! もっと、もっと、強く!」
あっけなく最初の精液注入。
「いや~ん、隆志ったら、早過ぎる!」
「ごめん。時間はたっぷりある。次は、もっときばるから」
出た瞬間、股間がモワッと緩み、痺れる。解放と快楽の饗宴。
相手がコーラあることの幸せに酔ってしまう。
コーラの大きな胸に顔を埋め、静かに安らぐ。少し瞳が濡れる。
好きだ、好きだ、好きだ。この女。私のすべてを与えるんだ。

そのまま、正常位を続行。
腰の下に枕を挿し入れ、強く抱きしめてキスをしながら、高速ピストン。
「隆志、いい、いい、いい、すっごくいい。もういくわ!」
コーラのイキそうになる顔、たまらない。うっとりとして色っぽい。
長い睫毛の下が潤んできらめいている。ピストンをさらに速める。
「隆志、ウワッ、ウワッ、ウワッ、ウワア!、イク、イク、イク! イクウ!」
イッている瞬間の顔も、たまらない。天使のはにかみ。
笑っているような、泣いているような。

「俺も、デル、デル、デル、デタア!」
「隆志、今度はよかったわあ。私、すっごく満足」
イッた後の顔も、たまらない。可愛らしくて艶かしい。
俺の胸にかじりつき、静かに休んでいる。
コーラ特有の息の匂い、臭くてかぐわしくて。
また、俺の瞳が濡れてきている。
好きだ。好きだ。好きだ。この女、何があっても、一生守ってやるんだ。

あっという間に、2回目の射精。精液がドクドクと大量に出た感じ。けだるい股間の快感。
「すごい声を上げていたよね。子供達、気づかないかな。なんだかすごいスリル。ドキドキしちゃうよ」
「大丈夫。子供達は遊び疲れて、熟睡よ。叩いても起きないわよ」


ジーナが一緒に寝ているベッドの上は少し狭い。もっと自由に動きたい二人、汚れているが、床の上に下りる。

目先を変えて、四つん這いになったコーラの尻を抱え、バックから挿入。
膣の奥までグイグイ入れる。ペニスの先が膣壁を感じる。
超高速の銃撃。コーラの髪が乱れ、背中が震えている。
泣き叫ぶ声を聞きながら三度目の射精。

そして、ぴったりと身体を密着させての対面座位。
じっと顔を見つめて合い、キスをする。お互いの愛を感じる。
コーラの腰に手を回し、縦揺れする大きな乳房の乳首にキスをする。
ローションを塗りあった身体は抱き合って揺すると、ヌルヌル感がたまらない。
嬌声をあげるコーラの腰のうねりの中、四度目の射精。


さすが少し疲れたのか、息もあがっている。
女性主導の騎乗位に移る。コーラのヤル気が伝わってくる。
しばらくすると、隣りの部屋のドアが開く。
「コーラおばさん、励んでいる最中に、ごめんなさい。オシッコ、出たくなっちゃた」
トイレはシャワー室にある。俺の上に跨って体を震わせているコーラを見ながら、クリスは興奮とからかいの入り混じった声で、
「すっごい、すっごい、すっごい。おばさん、お馬さんにでも乗っているみたい。気持ち良い?」
「最高よ。天国にいるみたい。クリスも、好きな彼氏ができたら、お馬に乗って天国を飛べばいい」
「ウワァ、早く飛びたいな。誰にのってるんだろう。楽しみだなあ」

「クリス! ドアの隙間から私達のセックス、ずっと見ていたでしょう。私、気がついていたわよ」
「御免なさい、覗かずにはいられなかったの。だって、結婚を決めた二人って、どんなセックスするか、すごく関心があったの。私のするセックスなんかと違って、楽しそうで真剣で、ついつい、ずっと見てしまったのよ」
「私、今、仕方なくやるセックスが嫌で嫌でたまらないの。入れられても、全然、感じないの」

汚れた床をの上をゴロゴロ転げ回ったので、コーラの背中とお尻には、ビスケットの食べかす、ゴキブリの死骸、落ちた髪の毛などがついていて、汚い。睦みあいに夢中で気にならなかったが、俺の背中にもいろいろなものが当たったみたいだ。
「クリス、私達二人も少し休憩するわ。身体中、ローションとゴミの汚れで気持ちが悪いの。シャワー室で、私と隆志の背中、洗ってくれないかな?」
「いいわよ。覗き見のお返し」
「それと、クリスに聞きたいことがあるの。3人で、裸を交えて、腹を割って、本当のところを話し合いたいの」

狭いシャワー室は、3人が入ると、嫌でも身体が触れ合う。
「クリス、私、貴女に申し訳、なくって。毎月、お金を入れてくれていたけど、ちょっと考えれば、おかしいって気づくのに。私、ジーナのことなどで、心がおかしくなっていたのよ。どうやって、あのお金、稼いだの?」
「気にしなくて、いいって。ちょっと、割のいいバイトをしただけ」
「隆志おじさんが、クリスは身体を売っているって、いうの。俺はずっと遊び人だったから、わかるんだって。貴女の裸を見たときから、この子は身体を売っているって、直感したんだって」
「そうよ、悪かったわね。私、スケベなおじさん達と仲良くしているわよ。家には食べる物がなくて、お金が欲しいんだから、仕方がないでしょ」
「そうなのよね。クリス、ごめん。私の力が至らないばかりに、苦労をかけてしまうわね」
「それを言うなら、私っだって、隆志おじさんに最初に会ったとき、その醸し出す雰囲気で、この人、女を買っている、いやらしい遊び人だって、気づいていたわよ」
「やっぱりな。俺も見破られている気がした」
「おばさん! 結婚相手がこんな女タラシでいいの? 私のことより、自分のことを心配したら!!」
「隆志、全部話してくれたわ。私と会う前、女をとっかえひっかえの遊び人だったって。でも、それはすべて過去のこと。これからは二人で新しい生活を築いていくの。隆志は信用できる人よ。すっごく愛してしまったの。私達を理解して、クリス」
「俺は確かにどうしようもない、いやらしい遊び人だった。でも、コーラと出会い、恋をして、生活をすっかり変えることを決心したんだ。信用してほしいな。クリス、しばらく、黙って見守ってくれないかな」
「私が身体を売っていたのに、生意気、言ってご免なさい。仲直りに、二人の身体、きれいにきれいに洗ってあげるわ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
クリス、ベタベタですごく汚いコーラの身体に石鹸たっぷり塗って洗い流す。
「コーラおばさん、仲直りに石鹸を塗たくって抱き合おうよ」
「そうね。気持ちいい思いと共に、全てを水に流そう」
コーラとクリスが抱き合うと大きな乳房がぶつかり合い、すごい迫力。
「クリス、ヌルヌルして、最高に良い気分」
「おばさん、私に、キスして、キスして」
「ダメよ、私のキスは隆志のもの。できません」

「さあ、今度は、隆志おじさんとの仲直りよ。ウワッ、おじさんの背中もきったない。何かに当たったみたいで、血が滲んでいる」
クリス、身体に石鹸、塗りたくって、後ろから抱き着いて、ぉッパイをグイグイ
押し付けてくる。
「ウオッ、クリス、最高。もう、ボオッとしてしまうよ」

「クリス、隆志おじさんね。東京に帰ってから、毎月、私達に生活費、送ってくださるの。だから、もう身体を売る必要ないのよ」
「仲間との付き合いがあるから、すぐには、止められない。でも、徐々に減らしていく。それで良い? おばさん」
「あたし、おじさんに感謝の意をこめて、キスとフェラチオしてあげたいの。今日だけは許して。セックスはしないから」
「そうか、じゃあ、今日だけという条件付で特別に許可してあげるわ。妬けちゃうんだけど」

「おじさん、前、向いて」
石鹸をお互いの身体に塗りたくって、大きいオッパイで身体をこすられると、それだけでアヘアへ。やっぱり、コーラと違った感触。いきなり口の中に舌を突っ込んできて舐めまわしてくる。まだ経験不足がみえみえ。
次に、しゃがんでチンチンと睾丸を洗い出す。
「アヘッ、気持ち良すぎて、チンチンが立ってきた」
「隆志、出しちゃ、ダメよ。これから、神聖な儀式は続くんだから。クリス、おじさんに感謝のフェラチオまでやってしまいなさい。口の中に出しちゃ、絶対、ダメよ」
「わかった」
舌を上手に使って舐めすす。当然ながら、勃起してくる。
「ウワッ、コーラ、出そうな気がする。部屋に戻ろう」
「そんな余裕ないわよ。ここで、やっちゃうわよ」
コーラ、俺の首に手を回して、飛びつき、駅弁売りスタイルで、割れ目にペニスを引き込み、激しく揺する。ズッポン、ズッポン、大きな音を出して、出し入れが始まる。クリス、眼の前の迫力にあっけにとられる。

「コーラ、そろそろイクよ」
「ウワッ、ウワッ、ウワアッ。いいわ。いいわ。いいわ」
「出る、出る、出る、出たあ!」
「イク、イク、イク、イッタア! 幸せえ!」
俺、もう一度イカセようと、動かし続る。
「ウワッ、ウワッ、ウワアッ。隆志、凄い。いいわ。いいわ。また、イキそう」

「おじさんのチンチンって、近くで見ると、大きくて立派ね。私、結構たくさんの男達のペニスみてきたけど、おじさんのは極上よね。おばさん、こんな太くて堅いの入れたり出したりしているのね。感じちゃって、あんな大きな声を出すの納得しちゃうわ。やっぱり、現物調査はお勉強になるなあ」
「マウイのチンチンは小さくて皮をかぶっているのに、おじさんのは先っぽがきのこみたいで変な形」
「馬鹿ね、クリス、このきのこみたいにとんがった部分がいいのよ。カリと言うのよ。カリが大きいほど、女は感じるものなのよ。膣をこする摩擦が大きくなるせいなのかな。隆志のように立派なのをカリダカよ言うの。女性の憧れよ」

「カリダカの隆志、顔はあんまし良くないけど、オチンチンは確かに最高のものを持っるわ。言うなれば、オチンチンのハンサムね」
「なんか馬鹿にされているような気がするな」
「隆志、とんでもない。最大級の賛辞よ。隆志に出し入れされると、うっとりとして私を忘れてしまうもの。並みのハンサムじゃ、ないわよ」
「おじさん、これからは、敬意を表して、オチンチンのハンサムさんって、呼ぶからね。そして、挨拶はオチンチンにハイタッチ。いいでしょ、おばさん」
「オホホ、面白いわね。それくらいは愛嬌ね。いいんじゃない」
「おい、おい、おい、コーラ、ひどいよ」
「でも、オチンチンのハンサムさんは長すぎるわね。チンハムおじさんくらいでいいかもね。ウイルマとマウイにも教えるわ」

「この際、クリスがセックス、好きになるように、もっともっと。見てもらおうよ。電気スタンドで照らして、すぐ近くで、私達の儀式、しばらく、見学していきなさいよ。いいでしょう、隆志」
「もちろん、いいよ。クリス、目を皿のようにして観察していけよ。その代わり、コーラに、ちゃんと、パソコン教えろよ」
「あ~い」


「さあ、仕切り直し。新しいラウンドよ。さっきとは、なんか違った具合に責めて欲しいなあ」
クリスが凝視している。興奮はするし、プライドもあり手が抜けない。

リノリウムの床の上は冷たい。
コーラを四つん這いのドッグスタイルにして、豊かなお尻を両手で強く開く。縦長の割れ目とお尻の穴に唾液をたっぷり垂らして、舌で、下から上に、上から下へ、総舐めする。大陰唇と小陰唇には舌を入れて、愛液をベロベロしゃぶり、お尻の穴には舌をグリグリ突っ込む。
「いい、いい、感じるわあ、そのまま、私の股の間に身体を入れてきて。私も、隆志のペニス、しゃぶりたくなったわ」
口の上に割れ目がきたとき、顔面騎乗のクンニリングスとなり、クリトリス、尿道口に集中攻撃。コーラの声が一段と高まる。
柔らかくて、熱くて、ヌルヌルした粘膜の広がりが、私の唇や舌を覆い尽くす。コーラが快感のあまり、オシッコも少し漏らした感じ。息がつまるが、微妙な味に魂が揺さぶられる。

コーラも私のペニスをしゃぶり始め、いわゆる69をしばらく続ける。
二人の幸せと充実の時間。

コーラ、イキたくなってきたみたいで、私に跨り、騎乗位で、おっ立っているペニスにヌルリと挿入、激しく動き始める。
コーラは女主導の騎乗位が大好きみたいだ。

「ウワァオー、イク! イク! イク! ギャアオー」
「コーラ、俺も、イク、イク、イク、イッタア!」
コーラ、私の上にもたれ込み、大きな息をして、しばらく動けない。
「コーラの中にタップリの精液を注ぎこんだぞ。おの放出感、たまらない。失神寸前だ」
「隆志、念願のランちゃん、絶対に、仕込みたいわね」

「おじさん、おばさん、本当にありがとう。これで、セックスって、どういうものか、ある程度、全体像をつかめたわ。気に入ったおじさんなら、私もセックス、愉しむわ、相手にも快楽をを味わってもらい、すこしでも多く、お金を引き出すわよ」
「コーラ、おじさんからの忠告。おじさん達とののセックスに、あまり気を入れる必要はないよ。身体が持たないよ。妥協のないセックスが楽しむのは、本当に好きな男ができてからでいいんじゃないか」
「今日、二人を見学して、セックスって、とても素敵で、奥の深いものだってわかったもの。おじさん達と適当にセックスこなしながら、1日も早く、本当に本当に好きな奴が出てくるのを、待つわ」
「コーラ、おばさんもそうした方が良いと思う」
「でも、今、興奮していて、身体が熱くて、眠れそうもないな。明日、朝早く、皆で、ママの病院に行かなければならないのに」
「コーラ、オナニーやったら?」
「私、おじさんとのセックスは嫌だけど、毎日のオナニーは止められないの。私って、基本的には好き者みたいなの」
「いいんじゃない。私も一人のときは、毎日、やってたわ」
「胸を揉んで乳首を攻めるの。それから、しばらくクリを触り続けるの。最近は中指を入れるようになちゃったのよ。2回くらいはイクかな。声もかなり出ちゃうから、ウイルマ達に聞こえないか、心配してるの」

「じゃあ、私、オシッコしてから、隣りに部屋にいくから。おじさん、まだ夜明けまでは時間がタップリあるわ。後、何回くらい、精液の注入するの?」
「体力の続く限りさ。何回、できるかなあ」
「頑張ってね。私、オナってから、寝るわ」

蘭園で告白して、結婚を決めたコーラと、一夜を通しての素晴らしい性の祭典、セックスの饗宴だった。悦楽と叫喚を通して、意識も肉体も何度も一身同体となり、気持ちもいっそう通じ合えるようになった。

セックスは、揺ぎない愛を確認するためのもの。
セックスは、コーラを天空の彼方にまでいなざって、歓ばせるもの。

コーラは、性の歓びのパートナーであるだけじゃない。
その前に、生きるパートナー、ジーナを育てるパートナーなんだ。

つわりの症状は、俺が東京にいるときだな。
早く報告を聞きたいな。
二人して、ランちゃんを、待ち望んでいるんだ。
                     ---------第4話 終了--------
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# by tsado14 | 2013-06-01 17:13 | 蘭園の告白